加茂町齋野谷

加茂町齋野谷（かもちょうさいのたに）

所在地と概要

岡山県津山市の北東部に位置する地域です。郵便番号は709-3904となっています。かつては苫田郡加茂町に属していましたが、平成の大合併により2005年に津山市の一部となりました。地名表記としては「齋野谷」が正式ですが、公的な標識などでも「斉の谷」といった簡易表記が用いられることがあり、「斎野谷」「斉野谷」のような漢字の異体字による表記も見られます。

地理

加茂町齋野谷は、津山市内の加茂町塔中の西側に隣接する地域です。山間部に位置しており、豊かな自然環境に囲まれた場所となっています。

歴史

加茂町齋野谷の歴史は、近代の行政区画の変遷とともに大きく動いてきました。

その始まりは明治時代に遡ります。1889年（明治22年）6月1日に町村制が施行された際、それまで存在した東北条郡齋野谷村は、宇野村、倉見村、黒木村、小中原村、塔中村、戸賀村、原口村と合併し、新たに「加茂村」の一部となりました。この時、旧齋野谷村の区域は大字齋野谷として加茂村の中に位置づけられました。

その後、郡の再編が行われます。1900年（明治33年）4月1日、東北条郡は東南条郡、西西条郡、西北条郡と統合され、「苫田郡」が設置されました。これにより、加茂村は苫田郡に属することになりました。

さらに時代が進み、1924年（大正13年）7月1日には、苫田郡加茂村が町制を施行し、「加茂町」となりました。

続く1942年（昭和17年）5月27日、既存の加茂町は西加茂村および東加茂村と合併し、改めて「加茂町」として発足しました。

しかし、この合併後の行政区画は一時的なものに留まります。1951年（昭和26年）1月1日、旧・加茂町の範囲が再び加茂町から分離し、「新加茂町」として独立しました。この結果、加茂町としては旧・西加茂村と旧・東加茂村の範囲が残る形となりました。

そして1954年（昭和29年）4月1日、苫田郡内にあった加茂町、新加茂町、上加茂村の三つの町村が合併し、現在の加茂町齋野谷を含む地域は、この再編成によって誕生した新たな「加茂町」の一部となりました。

最終的に、2005年（平成17年）2月28日、加茂町は苫田郡阿波村、勝田郡勝北町、久米郡久米町とともに津山市に編入合併されました。この合併により、加茂町内の各大字の名称には「加茂町」という接頭辞が付され、大字齋野谷は現在の「加茂町齋野谷」という地名となったのです。

交通

地域内の交通を担う道路として、岡山県道75号加茂奥津線や岡山県道336号倉見斉の谷線などが通っています。特に県道336号線には、地名の簡易表記である「斉の谷」を用いた標識が見られます。

施設

加茂町齋野谷には、地域住民の活動拠点となる齋野谷公会堂や、歴史のある寺院である寶蔵寺などが存在します。

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