加藤和宏 (JRA)

加藤 和宏 - 調教師・元騎手

加藤 和宏（かとう かずひろ、1956年3月4日生まれ）は、日本中央競馬会（JRA）美浦トレーニングセンターに所属し、調教師として名を知られる一方で、かつては騎手としても活躍しました。1975年に騎手デビューし、その後、数々の著名な馬に騎乗して成功を収めました。2005年には騎手を引退し、調教師へと転身しています。

経歴

生い立ち

加藤は北海道夕張市に生まれました。父親は炭鉱労働者でしたが、炭鉱業の厳しい未来を見越し、加藤が小学2年生の時に馬産地として知られる浦河町に移り住みます。中学時代は器械体操部に所属しており、優秀な選手でしたが、騎手になることを明確に意識していたわけではありませんでした。中学3年生のとき、調教師の二本柳俊夫が騎手候補を探していたとき、近所の牧場の紹介で加藤が選ばれたことで、騎手への道が開かれました。1972年に馬事公苑の騎手養成長期課程に進学することになります。

騎手時代

加藤は1975年に騎手免許を取得し、二本柳厩舎に所属してデビュー当初は4勝を挙げるに留まりましたが、次第に競技成績を向上させました。1980年にはホウヨウボーイに騎乗して日経賞を勝ち、その後も有馬記念、天皇賞など多数の重賞競走で優勝を果たしました。特に1985年の日本ダービーではシリウスシンボリに騎乗し、見事な勝利を収めました。

1989年にはフリー騎手となり、以後も安定した成績を残しましたが、2000年代に入ると成績が下降し始めました。2003年には息子・士津八が騎手デビューし親子騎手として注目を集めましたが、2005年に調教師免許を取得すると同時に騎手を引退しました。その時点で通算成績は6536戦610勝を記録しています。

調教師時代

調教師としての第一歩を踏み出したのは2005年の日、美浦トレーニングセンターに厩舎を開業したことであり、初勝利はアリマエクセレントで挙げました。2012年にはハナズゴールでチューリップ賞を制し、調教師として初の重賞勝利を達成。さらに、この馬はオーストラリアでの競走にも出走し、調教師としてのさらなる成功を収めました。

シリウスシンボリの騒動

加藤はシリウスシンボリを巡る騒動で知られています。1985年、日本ダービーに向けての準備を進める中で、馬主から他の騎手に交代するように要求される事態が発生しました。当初、加藤に対する疑念が浮上しましたが、彼の技術と努力が再評価され、最終的には優勝に繋がりました。この騒動は多くの波紋を呼び、加藤の騎手人生における重要な出来事の一つとして記憶されています。

主な成績

騎手時代

通算成績: 6536戦610勝（うちJRA6476戦604勝）
主な騎乗馬:
- ホウヨウボーイ（有馬記念、天皇賞など）
- シリウスシンボリ（日本ダービー）
- ホクトベガ（エリザベス女王杯）

調教師時代

* 主な管理馬:
- ハナズゴール（チューリップ賞、オールエイジドステークスなど）

加藤和宏は、その競馬界におけるサクセスストーリーを通じて、多くのファンに愛され続けています。

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