二本柳俊夫

二本柳俊夫の生涯と功績

二本柳俊夫（にほんやなぎ としお、1920年9月8日 - 2006年5月17日）は、神奈川県横浜市出身の日本の騎手及び調教師であり、競馬の世界で多くの名馬を育て上げたことで知られています。1932年に父の厩舎で見習い騎手となり、1935年に正式に騎手免許を取得。その後、特に戦後から1980年代にかけて、彼は数多くの名馬を手がけ、競馬界の重要人物となりました。

騎手としてのキャリア

騎手活動を開始した二本柳は、1935年に初めて騎手免許を取得し、父の厩舎で活躍を始めます。1940年には兵役に就いたものの、健康上の理由から翌年に免除され、1946年に競馬界に復帰。特に1947年にヤマトナデシコで中山記念を制し、彼の騎手としての第一歩を踏み出します。さらに1955年には、オートキツを駆り東京優駿（日本ダービー）のタイトルを獲得。

当時の競馬界では、多くの騎手が互いに競争を繰り広げていた時代でしたが、二本柳は独自のスタイルを貫くことで次第に名声を高めていきました。在りし日の日本、彼の騎手としての成績は通算2199戦451勝、重賞での勝利は14回でした。

調教師への転向

1957年、二本柳は調教師免許を取得し、新たな段階へと進みます。同年に厩舎を開業し、1958年には初年度から重賞4勝を挙げるなど、早くも成功を収めます。1980年代には調教師としての黄金期を迎え、ホウヨウボーイ、アンバーシャダイ、シリウスシンボリなどの名馬を手がけ、全国リーディングトレーナーにも選ばれました。

彼の調教師としての成績は8042戦1043勝、重賞は48勝にのぼります。特に1985年の東京優駿では、シリウスシンボリとのコンビで再びダービー制覇を果たし、騎手及び調教師としてそれぞれダービー制覇を達成した数少ない人物の一人になりました。

シリウスシンボリ移籍事件

1985年、二本柳厩舎におけるシリウスシンボリに関する一連の騒動は、彼の厩舎の騎手と馬主の間に対立を生むこととなりました。馬主である和田共弘が騎手の変更を要求した際、二本柳は自らの信念を貫き、弟子を庇う姿勢を取ります。この結果、シリウスシンボリは一時的に他厩舎に移籍しましたが、最終的には戻り、再度の競馬の舞台に立ちました。

手厳しい状況の中、二本柳の意志の強さが光り、彼の指導によってシリウスシンボリは東京優駿を制覇しました。

評価と死去

1992年には黄綬褒章を受章し、2004年には調教師顕彰者として殿堂入りを果たします。競馬界へ与えた影響は計り知れず、彼が育て上げた名馬たちや彼自身の業績は、後世に語り継がれることでしょう。2006年に肺炎で亡くなるまで、彼の人生は競馬という情熱に捧げられてきました。彼の存在は、日本競馬の歴史に深く刻まれています。

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