加藤嘉矩

加藤嘉矩（かとう よしのり）は、元禄6年（1693年）に近江水口藩主・加藤明友の三男・明治の長男として生まれました。父・明治は、嘉矩の叔父にあたる加藤明英（加藤明友の跡を継ぎ、元禄8年（1695年）に水口から壬生へ転封）の養子となっていましたが、家督を継ぐ前の正徳元年（1711年）に早世しました。翌年、明英も亡くなったため、嘉矩が家督を継ぐこととなりました。

正徳2年（1712年）6月26日、嘉矩は近江水口へ転封され、同年12月に叙任されました。しかし、享保9年（1724年）9月9日に32歳という若さで亡くなり、跡は長男の明経が継ぎました。

系譜

父母

実父：加藤明治
実母：松平信通の養女（松平忠栄の娘）
養父：加藤明英

正室

松浦棟の養女（秋月種封の娘）

子女

長男：加藤明経（生母は正室）
娘：堀親蔵正室のち永井直陳継室

加藤嘉矩は短い生涯でしたが、壬生藩主、そして水口藩主として藩政に携わりました。特に水口藩においては、初代藩主としてその基盤を築いた人物として評価されています。彼の死後、長男の明経が跡を継ぎ、加藤家の家督を維持しました。また、娘は堀親蔵の正室、後に永井直陳の継室となるなど、婚姻関係を通じて他の大名家との関係も築いています。

加藤嘉矩の生涯は、藩主としての責任を果たすとともに、家を守り、次世代へと繋げるという役割を担ったものでした。その短いながらも充実した人生は、歴史に名を刻む藩主の一人として記憶されています。

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