加藤守道

加藤守道：地方行政を担った政治家の生涯

加藤守道（かとう もりみち）は、1885年（明治18年）9月17日に生まれ、1960年（昭和35年）8月17日に没した、愛知県豊川市長、東京市区長、基隆市尹を歴任した人物です。

生い立ちと初期の経歴

新潟県新潟市出身で、加藤久之助の二男として生まれました。1906年（明治39年）に新潟県北辰館中学科を卒業後、1909年（明治42年）に文官普通試験に合格。日本大学を中退しています。その後、新潟県中魚沼郡書記、同南蒲原郡書記、北海道庁長官官房勤務を経て、岩手県九戸郡長、東磐井郡長、下閉伊支庁長と、地方行政の要職を歴任しました。

基隆市尹から東京市区長へ

1928年（昭和3年）には、台湾の基隆市尹に転任し、海外での行政経験を積みました。退官後は東京市に入り、中野区長、教育局庶務課長、神田区長、日本橋区長と、東京の主要な区長を歴任。都市行政に貢献しました。1942年（昭和17年）からは川村女学院理事も務めています。

豊川市長としての功績と公職追放

1943年（昭和18年）、初代豊川市長に就任し、戦時下の市政を担いました。その他、大井興業監査役、六華会監事、豊栄信用組合、奉公協会の各理事も務め、多方面で活動しました。しかし、戦後、大政翼賛会豊川市支部長を務めていたことが問題視され、公職追放となりました。

親族

二男に経済学者の加藤寛がいます。

参考文献

橋本白水『台湾統治と其功労者』南国出版協会、1930年。
原幹次郎編『自治制度改正十周年紀念人物史』勤労と富源社、1931年。
帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第14版』帝国秘密探偵社、1943年。
人事興信所編『人事興信録 第14版（上）』人事興信所、1943年。
人事興信所 編『人事興信録 第20版 上』人事興信所、1959年。
人事興信所 編『人事興信録 第38版 上』人事興信所、1995年。

加藤守道は、地方行政のエキスパートとして、多岐にわたる分野でその手腕を発揮しました。その功績は、今日の地方自治の礎となっています。

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