加藤春路

加藤春路（かとう はるじ）

加藤春路は、1864年（文久4年）3月17日、三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎の長女として生まれました。旧暦では2月10日にあたります。彼女は、後に第24代内閣総理大臣となる加藤高明と結婚し、華族としての生涯を送りました。名前は「春治」と表記されることもあります。

生涯

春路は1864年に誕生し、1886年（明治19年）に加藤高明と結婚しました。当時、加藤高明は三菱本社の副支配人を経て外交官として活躍していました。この結婚は、三菱財閥の長女と将来の政治家との結びつきとして注目されました。しかし、この結婚が、加藤高明が政敵から「三菱の大番頭」と揶揄される一因ともなりました。

春路と高明の間には3人の子供がいました。長女の悦子は岡部長景に嫁ぎ、次男の厚太郎は三菱合資会社や三菱銀行に勤務した後、三菱系の損害保険会社である東明火災海上保険（現・日新火災海上保険）の取締役を務めました。長男は残念ながら早世しています。

春路は1942年（昭和17年）9月半ばから胃腸の病気に苦しみ、麻布区三河台町（現在の東京都港区六本木）の別宅で療養生活を送っていました。しかし、病状は回復せず、狭心症を併発し、12月24日に78歳で亡くなりました。彼女の生涯は、明治から昭和にかけての激動の時代を、華族の夫人として、また三菱財閥の創始者の娘として生きた女性の姿を映し出しています。

彼女の人生は、華やかな結婚生活と、病との闘いという二つの側面を持っていたと言えるでしょう。

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