加藤進 (政治家)

加藤 進（かとう すすむ）

概要

加藤進は1909年1月10日に愛知県名古屋市千種区で生まれ、1996年3月27日に亡くなった日本の教育者および政治家である。彼は日本共産党の公認候補として衆議院及び参議院の議員を1期ずつ務めただけでなく、長年にわたり教育界と政治界での重要な役割を果たした。

来歴

1945年、名古屋帝国大学の理学部数学科を卒業した後、加藤は教育の道に進み、第八高等学校で哲学を教える講師としてキャリアをスタートさせる。その後、名古屋大学の数学科教官に就任し、教育現場での地位を築いていった。この頃、彼は初代愛知県教員組合の副委員長を務め、愛知県内の労働教育の促進に力を入れるとともに、労働学校の開設にも関与した。

加藤は1963年における第30回衆議院議員総選挙にて旧愛知1区から出馬し、見事当選を果たした。その後、1971年の第9回参議院議員通常選挙でも全国区から出馬し、再度の当選を記録した。しかし、1977年の第11回参議院議員通常選挙では落選してしまった。彼の政治活動は教育の重要性を訴え、社会問題に対する関心を喚起するものであった。

加藤の生涯は教育者と政治家の二つの顔を持ち、彼は心不全により1986年3月27日に自宅で亡くなるまで、長い間多方面での影響を及ぼした。彼は87歳でこの世を去った。

人物

加藤進はその政治活動の中で非常に注目を集める事例を幾つか残している。その中でも特に記憶に残るのが1974年に参議院決算委員会にて行った質疑だ。この際、沖縄県那覇港の海底から採取された泥に放射性物質コバルト60が含まれていたことを問題視し、当局に質問を投げかけた。彼の質問に対し、当時の科学技術庁原子力局次長であった伊原義徳は、「原子力潜水艦からのものと推定される」と答え、米軍による放射能汚染を認める内容の答弁が引き出された。しかし、その後米大使館からの圧力によって、他の議員が同様の質問をした際には「まったく不明」との答弁に変更されたことで、議論を呼ぶ事態となった。

さらに、1975年には参議院予算委員会の分科会において、岐阜県中津川でのUFO騒動に関して、防衛庁の職員に答弁を求めた。この質問に対し、その職員は「東京発福岡行の全日空の定期便の航空機」との明解な答弁を行い、議場には笑いが広がった。

結び

加藤進のキャリアは、教育と政治に対する真摯な姿勢が表れている。彼の質問や姿勢は、当時の社会情勢に大きな影響を与えるものであり、今なお語り継がれる存在である。

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