加藤顕清

加藤顕清（かとう けんせい）

加藤顕清は1894年12月19日に岐阜県に生まれた彫刻家および洋画家であり、本名は加藤鬼頭太です。彼は日本の美術界において重要な役割を果たし、特に日展の審査員と後進の指導に多大な貢献をしました。

略歴

加藤は幼少期に北海道深川市に移り、地元の上川中学校を卒業後、旭川市で代用教員として働きながら上京しました。そして、上智大学哲学科に入学しています。途中で中原悌二郎の彫刻と出会い、その影響を受けて1915年に東京美術学校彫刻科に進学。ここで高村光雲や白井雨山に師事しました。

1923年に同校の研究科を卒業し、再度西洋画科本科に入学。藤島武二や長原孝太郎のもとで油絵を学び、1928年に卒業しました。在学中、彼は1921年に「静寂」で第3回帝展に入選。以降、1928年から1930年にかけて3回連続で帝展特選を受賞し、「女人像」、「群像」、「立像」がその代表作です。

1931年からは帝展審査委員を務めながら、奈良での上代彫刻の研究を行いました。加藤はその後も多くの役職に就き、文化や美術の発展に尽力しています。1934年には日本彫刻家協会を創立し、その会長に任命されました。

1940年代には海軍省の嘱託として活動し、戦後は東京芸術大学での講師、日展の参事、日本彫刻家連盟の委員長などを歴任しました。また、1952年には出品作「人間」で日本芸術院賞を受賞しています。

加藤は1950年代から渡欧し、イタリアやフランス、ドイツで古典彫刻や近代美術を研究しました。1960年代には日本都市建設協会技術委員などもつとめ、東京オリンピックの記念作品も手掛けるなど、美術界に広範な影響を与えました。

受賞歴

加藤の受賞歴には、1921年の「静寂」に対する第3回帝展入選があり、続いて1928年の「女人像」で第9回帝展特選を獲得。1929年、1930年にもそれぞれ「群像」、「立像」で特選を受賞しました。さらに1952年には「人間」で日本芸術院賞を手にしました。

代表的な作品

彼の代表作には、1948年の「コタンのアイヌ」、1951年の「人間」、1953年の「馬」、1955年の「トルソ・女」、1964年の「弁財天と世界女性群像」などが挙げられます。これらの作品は、日本の彫刻や絵画の重要な文化財として評価されています。

死去

加藤顕清は1966年11月9日、自宅のアトリエで転落し、その後11日に脳内出血と骨盤骨折のため亡くなりました。享年71歳でした。彼の人生を通じた美術への情熱は、今日の多くのアーティストに受け継がれています。

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