加賀一の宮駅

加賀一の宮駅の概要

加賀一の宮駅（かがいちのみやえき）は、石川県白山市に位置していた北陸鉄道石川線の廃駅です。1987年までは金名線の終着駅としても賑わいを見せていましたが、現在はバス停「一の宮」として利用されています。駅舎は歴史的な価値が認められ、2019年には改修を終えて「旧加賀一の宮駅」として再活用されています。さらに、駅舎は国の登録有形文化財に指定され、地域の文化財として重要な存在となっています。

駅の歴史と利用状況

この駅は、1927年に開業し、当初は神社前駅（じんじゃまええき）と呼ばれていました。開業当初から多くの参拝客が訪れ、特に毎年大晦日から元日にかけて運行される臨時列車は、初詣のため多くの人々に利用されてきました。この時期は駅が最も賑やかになり、地域の重要な交通機関でした。

その後、2009年に鶴来駅との間が廃線となり、正式に廃駅となりましたが、2019年には石川県道302号手取川自転車道線の休憩施設として再利用される運びとなりました。これにより、旧駅舎は地域の観光拠点となり、観光客や地元住民が訪れる場所としての役割を果たしています。

駅名の由来は、白山比咩神社が加賀国の一宮であったことにさかのぼります。かつて駅舎の近くにあった神社は1481年の火災後、現在地に移されました。現在の「一の宮」バス停も、多くのバス路線が停車する重要な交通の要所となっています。

駅舎の文化的価値

加賀一の宮駅の駅舎は、1940年に竣工した木造建築で、唐破風の車寄せや和風のデザインが特徴です。無人駅となった後も、駅舎内部には昔の名残が数多く残されています。地元住民からの愛着を持たれ、駅舎は取り壊しを免れ、登録有形文化財としての保護が進められました。2021年2月には正式に登録され、石川県内で初めて鉄道駅が国の文化財として指定されることとなりました。

地域住民の意見を反映したこの登録は、地域文化の活性化と観光促進に寄与しており、今後も多くの人々に親しまれ続けることでしょう。駅周辺には白山比咩神社、道の駅しらやまさん、古宮公園（桜の名所）、舟岡山城跡など、観光スポットが数多くあります。これらの施設と相まって、加賀一の宮駅は地域の重要な文化資源となっています。

まとめ

加賀一の宮駅は、その歴史的背景や文化的価値により、単なる廃駅にとどまらず、地元の文化と観光を支える重要な役割を果たしています。今後も、地域の人々に支えられながら、魅力的な観光地として成長し続けることが期待されています。

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