加賀爪政尚

加賀爪政尚（かがつめ まさなお）

加賀爪政尚は、安土桃山時代に活躍した日本の武将であり、徳川氏の家臣として知られています。彼は、加賀爪上杉家の6代目当主であり、武蔵国の高坂館を拠点にしていたことでも有名です。また、彼の姓は「加々爪」と表記されることもあります。

略歴

加賀爪政尚は1562年、駿河国今川氏の家臣である加賀爪政豊の子として誕生しました。彼が生まれた永禄5年は、戦国時代の動乱が続く時期でもありました。政尚が若い頃、1560年に勃発した「桶狭間の戦い」にて、今川家当主の今川義元が敗死し、今川家はその後急速に衰退していきました。この出来事は当時の諸勢力に甚大な影響を与えました。

義元が亡くなると、今川家は周辺の武士たちの圧力に苦しむこととなり、その結果として内部でも家臣や一族の離反が相次ぎ、三河国の松平氏（後の徳川氏）をはじめとした家臣たちが次々と家を去っていきました。義元の跡を継ぐ今川氏真もまた、戦況の悪化に伴い、本拠地であった駿河から追われ、遠江国の掛川城に逃げ込むこととなりました。その際、加賀爪氏は三河の徳川氏に組みし、その後、政豊は旧主である氏真を守るために掛川城攻撃で戦功を上げました。

若き日の政尚は、徳川家康に仕官し、その実力を発揮しました。1584年の「小牧・長久手の戦い」では敵を討ち取り、その武功を際立たせました。また、豊臣政権下では九州平定や小田原征伐、さらには奥州仕置にも従軍し、その活動が広範囲に及ぶこととなりました。政尚は、家康の近習として仕え、武蔵国比企郡や相模国高座郡で3,000石を与えられ、領地を持つ武将としてその地位を固めました。

しかし、彼の運命は短いものでした。文禄5年、彼は慶長伏見地震の際に起こった災害で倒壊した伏見城の城門に下敷きにされ、命を落としました。政尚の短い生涯は、多くの戦いと名誉を持ちながらも、その結末は不運なものでした。

脚注

• - 出典: 『寛永諸家系図伝』
• - 出典: 『断家譜』
• - 出典: 『寛政重修諸家譜』

もう一度検索