加賀見俊夫

加賀見俊夫：東京ディズニーリゾートの立役者

加賀見俊夫氏は、1936年1月5日生まれの実業家で、株式会社オリエンタルランドの代表取締役取締役会議長を務めています。東京都江東区出身で、東京ディズニーリゾートの誕生に深く関わった人物として知られています。

生い立ちと京成電鉄入社

加賀見氏は、開成中学校・高等学校を経て慶應義塾大学法学部政治学科を卒業しました。大学時代には応援指導部に所属し、多くの行事で活躍しました。卒業後、家業を継ぐことを考えていましたが、先輩の反対を受け、企業への就職を決意します。地元企業である京成電鉄に入社し、経理部に配属されました。

当初、経理の仕事は全く畑違いでしたが、簿記学校や珠算教室に通い、3年間で経理に必要な知識を習得しました。この経験が、後のオリエンタルランドでの活躍の基礎となります。

オリエンタルランド設立とディズニーランド誘致

京成電鉄の創業者である川崎千春氏が、アメリカのディズニーランドに感銘を受け、日本への誘致を目指しました。1960年、三井不動産、京成電鉄、朝日土地興業の3社が出資してオリエンタルランドが設立され、加賀見氏は設立時の定款作成を担当します。

加賀見氏は、高橋政知氏との出会いを通じて、交渉の重要性を学びました。浦安の漁民との漁業権補償交渉では、高橋氏の指導のもと、粘り強く交渉を進めました。1972年には、京成電鉄を退職し、オリエンタルランドに正式に入社。浦安沖の埋め立て工事や都市計画に取り組みました。

1970年代に入ると、ディズニー社が日本進出を検討し始めます。三菱地所との誘致合戦、オイルショック、度重なる交渉を経て、ディズニー社との業務提携契約を締結。1983年4月15日、アメリカ国外初となる「東京ディズニーランド」が開業しました。

東京ディズニーリゾートへの進化

1986年、ディズニー社はオリエンタルランドに対し、舞浜地区全体の開発を目指した「東京ディズニーワールド構想」を提案。これを機に、第2パーク構想が公になります。

バブル崩壊、社長の交代、ディズニー社との交渉難航など、さまざまな困難を乗り越え、「東京ディズニーシー」をはじめ、「イクスピアリ」、「ボン・ヴォヤージュ」など、現在の「東京ディズニーリゾート」を形作る施設が次々と建設されました。

1995年、加賀見氏はオリエンタルランドの社長に就任。2000年には「リゾート宣言」を発表し、「東京ディズニーリゾート」が正式にスタートしました。2001年には、「東京ディズニーシー」と「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」が開業し、多くの人々の努力が実を結びました。

加賀見氏は、2005年に社長を退任し、代表取締役会長（兼）CEOに就任。その後も、舞浜地区開発に積極的に関わりました。2008年には、ディズニー・レジェンドを受賞しています。

人物像とエピソード

加賀見氏は、ディズニーファンから「かがみん」の愛称で親しまれています。また、キャストからは敬意を込めて「俊夫」コールが起こるなど、現場からの信頼も厚いです。

東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでの「お弁当持ち込み禁止」は、ウォルト・ディズニーの「食事もショーの一部」という考えに基づき、加賀見氏が強く主張したものです。当初は非難も多かったものの、徹底的に世界観を維持する姿勢が評価されています。

現在の活動

現在は、株式会社オリエンタルランドの取締役会議長を務めるほか、株式会社ミリアルリゾートホテルズの取締役相談役、学校法人慶應義塾の理事など、幅広い分野で活躍しています。

加賀見俊夫氏は、東京ディズニーリゾートの誕生と発展に大きく貢献した人物として、その功績は高く評価されています。

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