加越能鉄道デ7000形電車

加越能鉄道デ7000形電車の詳細

加越能鉄道デ7000形電車は、加越能鉄道が導入し、万葉線株式会社が保有する路面電車です。この車両は、加越能乗り入れを行っていた富山地方鉄道の7000形と類似した設計が施されています。1950年代から1960年代にかけて、3両が1961年に、2両が1965年に、6両が1967年に製造され、合計で11両の車両が生まれました。製造を手掛けたのは、日本車輌製造東京支店であり、同社の7000形と同様の技術が用いられています。

車両の特徴と構造

デ7000形は、基本的に富山地方鉄道の7000形をベースにした全鋼製の車体を持っています。前面はユニークな3窓構造になっており、側面には片開き扉が両端に配置されています。窓は上部が固定式、下部が上昇式のバス窓スタイルとなっており、デザインの面でも独自性を持っています。また、製造当初はクリームとオレンジの組み合わせで塗装されていましたが、後に万葉線移管に伴い新しい色合いの塗装に変更され、様々な広告ラッピングも施されています。

車内構造

車内はロングシートに設計されており、形式によって定員が異なるのが特徴です。また、1971年にはワンマン化が進められ、整理券式のシステムが導入され、運賃箱や運賃表示器が設置されました。このように、利用者に配慮した設計がなされています。

駆動方式と制御機構

駆動方式は吊掛式で、制御は抵抗制御方式を採用しています。新湊港線ではATSが設置されているため、関連する機器が搭載されています。

形式別の詳細

デ7000形

デ7000形は、1961年に製造された3両のことを指します。この車両は、富山地方鉄道7000形の構造を基にしておりながら、車掌用の小窓が中間部に存在するという独特な外観を持っています。その後、MLRV1000形の導入により全てのデ7000形は廃車されましたが、一部の車両は他の用途に転用されています。

デ7060形

1965年に製造されたデ7060形は、2両があり、711名の座席定員を持ちます。この型式では製造当初から連結運用が可能でしたが、その後撤去され、床の素材も変更されました。デ7061は現在、保存に向けた準備が行われています。

デ7070形

1967年に製造されたデ7070形は、6両で構成され、窓配置のバリエーションが増えています。座席の長さが延長され、定員も増加しました。開発が進むながら、冷房化工事やデジタル化が行われ、さらには様々なデザインのバリエーションも存在します。

運行と使用状況

2003年から2009年にかけて、新型電車が導入されたことで、一部のデ7000形は置き換えられました。それでも多くの車両が運行を続け、地域住民に親しまれています。特に、塗装デザインや装飾が施された車両は、乗客にとっても楽しめる存在です。2024年にはICカード決済が全車両で導入される予定であり、今後の運行への期待も高まります。

まとめ

加越能鉄道デ7000形電車は、その歴史や技術、独自なデザインで地域の交通機関として重要な役割を果たしています。今後も地域の交通インフラとしての活躍が期待される車両です。

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