労働新聞 (朝鮮労働党)

労働新聞（ロドンシンムン）について

労働新聞は、朝鮮民主主義人民共和国の執権政党である朝鮮労働党中央委員会が発行する日刊紙です。平壌市中区域に本社を置く労働新聞社によって運営され、公式な党機関紙としての役割を担っています。しかし、政府機関紙である『民主朝鮮』よりも高い権威が認められ、内容は国家の公式見解として広く受け入れられています。

この新聞は、朝鮮半島内外の様々な情報を提供し、その記事は地下鉄の駅など公共の場にも掲示されています。紙面のサイズはブランケット判で、特に国内向けと国外向けの2種類が発行されています。国外向けの労働新聞にはカラー写真が使用される一方で、国内向けのものは質素なわら半紙に印刷されています。また、朝鮮の伝統に従い、漢字は使用されず、筆文字スタイルでの題字が特徴です。

労働新聞は党機関紙でありながら、すべての国民に購読が義務付けられています。具体的には、職場などの単位で主要記事を共有する「読報会」が定例的に開催されています。このような制度により、国民は新聞を通じて政府の方針や時事問題に触れることができる環境が整えられています。

特に、1995年から2012年にかけては、金正日政権と金正恩政権が発足した際に毎年1月1日に「新年共同社説」が掲示されていました。この社説は、労働新聞のほか、金日成社会主義青年同盟の機関紙や人民武力省の新聞と共通した内容を展開し、国民に向けた年初の方針やスローガンが示されました。2012年以降は、この伝統は続かず、金正恩が朝鮮中央テレビを通じた「新年の辞」の形式に切り替えています。

労働新聞の紙面は通常6面から構成され、大きな政治イベントが行われる際にはページ数が増えて特別号が発行されることもあります。各面の内容は以下のように配分されています：

1. 1面 - 重要なニュースや社説、金正恩委員長の動向についての記事。
2. 2面 - 思想教育に関する記事。
3. 3面 - 国内の経済関連の記事。
4. 4面 - 国内外の一般的なニュース。
5. 5面 - 韓国に関する記事。
6. 6面 - 日本や米国を含む他国に関する情報や論評。これらはラジオを通しても紹介されることがあります。

1945年11月1日に創刊され、初めは朝鮮共産党の機関紙『正路』として発行されましたが、1946年には『労働新聞』と改称されています。現在、平壌市に本社を持つ労働新聞社は、北京、モスクワ、ハバナに支局も設置しています。これにより、国際的な情報収集や発信も行われており、国内外の動向を敏感に察知する役割も果たしています。

最後に、労働新聞に掲載された過去の記事リストは、韓国の統一部傘下の北朝鮮資料センターのウェブサイトで閲覧可能です。これは、北朝鮮の歴史を理解するための重要な情報源となっています。

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