労働連合

ポーランド左派政党、労働連合(Unia Pracy)の歴史と活動

労働連合(Unia Pracy、略称UP)は、1992年6月にポーランドで結成された左派政党です。そのルーツは、ポーランド民主化運動を牽引した独立自主管理労働組合「連帯」の左派勢力にあります。具体的には、連帯内部の左派グループである「連帯労働協定」や「民主社会運動」、そしてポーランド統一労働者党からの分離派である「ポーランド社会民主主義連合」などが結集して誕生しました。

UPの政治的立場は、西ヨーロッパ型の社会民主主義です。経済における国家の役割を重視し、社会正義の実現を強く訴える政策を展開しています。

1993年の議会選挙では、セイム（下院）で41議席を獲得し、躍進を遂げました。得票率は7.28％に達し、当時政権を担っていた民主左翼連合(SLD)とポーランド農民党(PSL)による連立政権に対しては、閣外協力という立場を取りました。しかし、1997年の選挙では、得票率が4.74％に低下し、議席を失うという結果に終わりました。この経験を踏まえ、UPは以降、他政党との連携を重視する戦略へと転換していきます。

1998年の地方選挙では、ポーランド農民党(PSL)と選挙連合「社会同盟」を結成しました。その後は、民主左翼連合(SLD)を含む左派政党との連携強化を図り、1999年には、SLDや全国年金者党(KPEiR)など複数の左派政党が参加する「ポーランド左派宣言」に署名しました。これは、左派勢力の結束と選挙協力に向けて大きく前進する取り組みでした。

この流れを受け、2001年の議会選挙では、左派宣言に参加した政党が中心となって「民主左翼連合＝労働連合」(SLD-UP)という選挙連合を結成しました。その結果、SLD-UPは大勝し、216議席を獲得、得票率は41.04％に達しました。第一党となったSLD-UPは、当初、PSLと連立政権を樹立しましたが、社会・経済政策などをめぐる対立により、2003年3月にPSLは連立を離脱しました。その後は、ポーランド自衛(Samoobrona)の非公式な閣外協力の下、政権運営を維持しました。

[2005年]]の議会選挙では、UPはSLDの統一リストに「緑の党」と共に参加しました。さらに2007年の選挙では、SLD、ポーランド社会民主主義]、民主党(PD)などと共に「[[左翼と民主主義」(LiD)という選挙連合を結成し、議席を獲得しました。しかし、「左翼と民主主義」はその後解体され、現在、UPはSLDと共に議会会派「民主左翼連合」(SLD)に所属し、活動を続けています。

労働連合は、ポーランドの政治史において、常に重要な役割を担ってきた政党です。社会民主主義を基盤とした政策、そして選挙戦略における柔軟な対応は、その活動の大きな特徴となっています。今後もポーランドの左派勢力の中核として、社会正義の実現に向けて活動していくことが期待されます。

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