労山 (運送艦)

労山（ろうざん）

労山は、特に日本海軍の運送艦として知られる艦名であり、その名は中国の山東半島南岸に位置する労山湾から由来しています。元々、ドイツのリクマス社によって建造された貨物船「エレン・リクマス」であり、Andree Rickmers級として知られる6隻の姉妹船の一つです。この艦は、第一次世界大戦の影響を受け、日本海軍に編入される運命を辿ることとなります。

歴史的背景

第一次世界大戦中、日本がドイツの青島を攻略した際、労山はその場で閉塞船として自沈していました。1914年11月7日に日本艦隊によって捕獲され、1915年2月20日に浮揚作業が行われました。その後、同年の8月23日には「労山」という名称が付けられ、運送船に類別されました。艦の整備中には、特に重量物の運搬や給炭油設備が設置されたことが特徴として挙げられます。

労山は、シベリア出兵時に沿海州方面への輸送任務を担い、1920年4月1日には特務艦（運送艦）に分類されることとなりました。しかし、運命は厳しく、1922年6月5日、横須賀から函館に向かう途中、濃霧によって青森県尻矢埼の東岸で座礁し、艦は破壊されてしまいます。同年8月1日には除籍され、その役割を終えることとなりました。

艦長と指揮官

労山の歴史には、様々な艦長や指揮官が存在しました。まず、1916年2月10日から12月1日まで指揮を執ったのは中佐の石川秀三郎です。その後には、志賀巳之治中佐が1916年12月1日から1917年12月1日まで、豊島二郎中佐が1917年12月1日から1918年9月10日まで指揮しました。続いて、藤村昌吉中佐、副島慶一中佐、園田繁喜中佐が、それぞれ特定の期間でこの艦を指揮しました。

特務艦長としての指揮官には、園田繁喜中佐が1920年4月1日から7月3日まで指揮を執り、その後は武内康吉中佐、野中逸太郎中佐、砥川三郎中佐といった面々が艦の指揮を担当しました。このように、労山は数多くの指揮官によって運営され、時に運送任務に従事しながら海を渡りました。

参考文献や資料

労山に関する詳細な情報は、アジア歴史資料センターや防衛省の防衛研究所など、多くの内外の資料に記録されています。また、特務艦に関するデータについては、海軍歴史保存会が出版した「日本海軍史」や、片桐大自著の「聯合艦隊軍艦銘銘伝」などが特に有名です。

結論

労山は、日本海軍の一員として多くの歴史的役割を果たしましたが、運命的にその生涯は短命に終わることとなりました。特に第一次世界大戦中の捕獲から特務艦としての活動まで、興味深い経歴を持っている艦船だったと言えるでしょう。

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