勝ノ浦部屋

勝ノ浦部屋の歴史

勝ノ浦部屋（かつのうらべや）は、日本の相撲界において重要な位置を占めていた相撲部屋ですが、その歴史は波乱に富んでいました。この部屋は、設立当初からいくつかの重要な出来事を経て、最終的には閉じることになりました。ここでは、その沿革を詳しく見ていきましょう。

初代の経営と部屋の独立

勝ノ浦部屋の初代親方は元十両の和田津海善兵衛であり、彼が経営していましたが、寛政6年（1794年）に彼が亡くなると、所属力士たちは境川部屋へと移籍します。その中には後に大関となる鬼面山与一右エ門も含まれていました。この移籍の影響が、後の部屋の運営に大きく関わっていくことになります。

2代目の登場

文化10年（1813年）、元大関の鬼面山が現役を引退し、2代勝ノ浦として部屋を独立させます。彼は境川部屋から有馬山龍右エ門を大関として育成し、さらに高砂浦右エ門や雲早山森之助を小結に育てるなど、部屋に新たな活気をもたらしました。しかし、天保3年（1832年）の彼の死去により、部屋はまたしても閉じられてしまいます。

次の時代

その後、境川部屋で経営を行っていた岩ヶ根与市が弘化3年（1846年）から二枚鑑札として部屋を運営しますが、悲劇的なことに師匠が亡くなると、部屋も閉鎖されます。この時、鬼若力之助が境川部屋に移籍しました。彼は明治7年（1874年）に二枚鑑札で5代勝ノ浦を襲名し、四股名を勝ノ浦与一右エ門に改名しましたが、結局は関取を育てることができず、再度部屋は閉じることに。

6代目とその活動

次に登場するのは錦戸部屋に属していた元十両の御舟潟春吉で、明治31年（1898年）に6代勝ノ浦を襲名します。彼は幕内で滝ノ音啓五郎を育てました。時には別の弟子を預かることもありましたが、後に彼は独立します。彼の下で部屋は再び力を得ることが期待されましたが、大正5年（1916年）に6代勝ノ浦が亡くなると、弟子の滝ノ音が二枚鑑札で7代目を襲名しました。

最後の親方

しかし、7代勝ノ浦も弟子を育成することは叶わず、昭和2年（1927年）に部屋は最終的に閉鎖されます。その後、彼自身は時津風部屋に移籍し、部屋付き親方として新たな道を歩むことになりました。

結論

勝ノ浦部屋の歴史は、数世代の親方とその弟子たちの努力によって形作られてきましたが、残念ながら多くの困難に直面し、最終的には閉じられる運命にありました。その影響を受けた力士たちは、相撲界で多くの歴史を刻んでおり、勝ノ浦部屋としての名残は今もなお引き継がれています。

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