勝力 (敷設艦)

勝力（かつりき）の艦歴

「勝力」は、日本海軍に属する艦艇で、主に機雷敷設と測量任務を担っていました。艦の建造は1916年5月に始まり、1917年1月に竣工、最初は「敷設船 勝力」として運用されました。1920年には軍艦に類別変更され、正式に「勝力」という名前で海軍に配属されました。

敷設艦から特務艦へ

この艦は、当初敷設艦として設計されていました。排水量約1,500トンのこの艦は、日露戦争後の旧式装甲巡洋艦を改造する一環であり、機雷戦の備えとして建造されました。商船のデザインを踏襲した船体形状を持ち、速力13ノットで運航しました。機雷は五号機雷を最大360個搭載し、主砲として12センチ砲を3門搭載していました。1917年の南洋巡航では、実際に340個の機雷を積載していました。

1935年には、旧式化に伴い測量艦に改造され、以降は測量任務を行いながら、特に太平洋戦争中もその役割を果たしました。艦の改装では、主砲の一部が8cm高角砲に変更され、その他の測量関連の装備が追加されました。1942年には特務艦として特に測量任務に特化した艦種に類別変更されました。

太平洋戦争での従事

「勝力」は1941年6月から南洋方面で測量任務を行い、以後も東南アジア地域での測量活動を継続しました。南洋諸島の測量任務は、シンガポールやビルマ方面でも実施され、任務は急務でありました。1944年6月には南西方面艦隊に所属し、活発な測量活動を行っていました。

しかし、戦局が厳しさを増す中、同年9月21日には、ルソン島周辺で敵潜水艦の攻撃を受けることになります。出港後、敵戦闘機の集中攻撃を受け、艦は損傷を負ってしまいました。特に、敵潜水艦「ハッド」の雷撃により、艦は沈没してしまいます。

沈没の経緯

1944年9月21日、艦はマニラ近海で潜水艦の雷撃を受けました。その際、艦は一瞬にして沈没し、乗員の多くが行方不明となりました。167名の乗員のうち、28名が生存者として救助されましたが、多くの命が失われました。この艦の沈没は、単艦での行動や夜間での避難が難航したため、結果的に生存者が少なかったと報告されています。

沈没後、生存者たちは漂流しながら救助を待ちました。この艦の最後は、歴史の中での悲劇的な瞬間となり、軍艦勝力は1944年11月に正式に除籍されました。勝力の歴史は、日本海軍の艦艇の一部として不滅のものとなり、後世に受け継がれることとなります。

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