勝山スケーティングクラブ

かつて仙台市青葉区上杉に位置していた勝山スケーティングクラブは、市民に親しまれた屋内型のスケート施設です。

概要と歴史的背景

このスケートリンクは、仙台市都心部からやや北側、上杉六丁目の交差点（愛宕上杉通と北六番丁の交点）の南西角に位置していました。1978年12月9日に開設され、約30年後の2009年4月30日に閉鎖されるまで運営されました。閉鎖後、建物は同年中に解体され、跡地は現在、西友勝山公園店などの平面駐車場として利用されています。

この土地は、1688年創業の老舗酒造である勝山酒造が、江戸時代後期の安政4年（1857年）に仙台藩から「御酒御用酒屋」に任命された際に拝領した土地の一部という歴史を持ちます。元々は同社の酒蔵などが建ち並んでいました。

時代と共にこのエリアは発展し、1972年には区画の西側に勝山ボウリングクラブが開業、1975年には北東部分に東日本放送が開局しました。そして、1978年に中央南側のエリアに勝山スケーティングクラブが開設され、複合的な施設が集まる一画となりました。

施設と利用状況

勝山スケーティングクラブは2階建て構造で、1階が駐車場、2階にスケートリンク本体や付属施設、さらにはスポーツ用品店である「かのおスポーツ勝山スケーティングクラブ店」が設けられていました。全天候型の施設であったため、季節や天候に左右されることなく、年間を通じてアイススケートを楽しむことができたのが大きな特徴です。

開場当初から、当リンクをホームとするアイスホッケーチームとフィギュアスケートのクラブが活動を開始しました。利用者数は、開場間もない1980年には年間約18万人に達してピークを迎えましたが、その後は減少傾向が続き、2000年代後半には年間4〜5万人程度にまで落ち込んでいました。

輩出した人材

勝山スケーティングクラブは、多くの才能あるスケーターや選手が練習拠点としたことでも知られています。冬季オリンピックに出場した複数のフィギュアスケート日本代表選手が、当リンクをホームリンクとしていた時期があります。また、日本人として初めてNHL（ナショナルホッケーリーグ）でプレーした福藤豊選手も、高校生時代にここで練習を重ねていました。

トリノオリンピック後には、中野友加里さんや鈴木潤さんといった著名なフィギュアスケーターたちも練習のために訪れることがありました。さらに、仙台放送の情報番組『スポルたん!LIVE』の二代目アシスタントを務め、女子大生プロアイススケーターとしても活躍した新海史子さんも当クラブに所属していました。

リンク規格とアクセス

メインリンクは国際規格に準拠した56メートル×26メートルの広さを誇っていました。ジュニアリンクも存在していましたが、その詳細な規格は不明です。

公共交通機関でのアクセスは、仙台市地下鉄南北線の北四番丁駅から徒歩約8分、仙台市営バスの農学部前バス停からは徒歩約3分でした。

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