勝山合戦

勝山合戦の概要

勝山合戦（かつやまかっせん）は、戦国時代の永正5年10月4日（1508年10月27日）に甲斐武田家内部で勃発した合戦です。この戦いによって、武田信虎は信恵軍に勝利し、武田宗家の内紛は終息を迎えました。合戦の舞台となった勝山は甲府盆地の南端に位置し、軍事的に重要な地点です。

背景

武田家の内紛の歴史は、明応元年（1491年）まで遡ります。この年、武田信昌と信縄の間に家督争いが勃発し、信縄が勝利して信昌を隠居させる事件がありました。その後も201492年、信縄と信昌・油川信恵との間で再度内訌が起こり、信昌側が優勢となる期間もありましたが、信縄は次第に勢力を取り戻していきます。明応3年（1494年）には信恵に対して大勝を収め、その後、両者の争いは膠着状態に陥りました。

同時に、伊豆では堀越公方家の足利政知が亡くなり、その後を継いだ茶々丸が北条早雲の攻撃を受けて甲斐へ逃れる事態が発生しました。この混乱は武田家内部の戦闘にも影響を与え、明応7年（1498年）には信縄と信昌・信恵の間で和解が成立します。信昌が隠居し、信縄が家督を継ぐことで、双方は共同で武田家を運営することになりました。

内部抗争の再燃

永正2年（1505年）に信昌が亡くなると、2年後の152年2月には信縄も死去し、家督は14歳の信虎が相続します。この状況を受けて、信恵とその支持者たちは再度挙兵し、和睦は破綻します。これが勝山合戦に至る背景です。

勝山合戦の展開

1508年10月4日、信虎は信恵軍を相手に勝山合戦を展開しました。この戦いでは、信虎が圧倒的な勝利を収め、信恵とその息子、さらにその勢力を多く葬り去ります。この戦いは、信恵軍だけでなく、彼を支える様々な有力家臣らも含めて大打撃を与えました。12月には小山田弥太郎や上条彦七郎が再度武田信縄へ反抗しましたが、いずれも短期間で戦死します。

この勝利によって、信虎は郡内小山田氏に対しても侵攻し、郡内を焼き払うことで彼らの勢力を大きく削ぐことに成功します。さらに、その後の春には信虎が小山田信有に和睦を申し入れる形で婚姻による従属同盟を結びます。このようにして、信虎は自らの立場を一層強化し、武田家の支配を磐石なものにしていくことになります。

合戦の影響

勝山合戦は、武田宗家の内部抗争における一つの大きな転換点となりました。この合戦では、信虎勢力が反抗者を排除したことで、反信虎の旗頭が失われ、反対勢力が一掃されました。また、信昌と信縄の共同統治により権力を失った油川信恵の姿勢も、次第に影響力を失う結果に繋がりました。これによって、武田宗家は甲斐を統一する第一歩を踏み出し、以後の内紛は信虎と晴信の間での信虎追放まで起こることはありませんでした。

この勝山合戦は、武田家の長引く内紛に終止符を打つとともに、外部勢力の侵攻に耐えうる基盤を築く結果となったのです。

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