勝手にしやがれ (沢田研二の曲)

勝手にしやがれ

『勝手にしやがれ』は、沢田研二が1977年5月21日にリリースした19枚目のシングルで、ポリドール・レコードから発売されました。この曲のタイトルは、1960年に公開されたフランス映画『勝手にしやがれ』からインスパイアを受けたもので、曲の歌詞も映画に関連している部分がありますが、内容自体は映画とは無縁です。

パフォーマンスの話題性

テレビ出演時には、沢田はクリーム色のスリーピース・スーツを着用し、同じ色のソフト帽を舞台上で投げる印象的なパフォーマンスを行っていました。この行動は特に子供たちの間で真似されるほどの人気を集め、話題になりました。さらに、第28回NHK紅白歌合戦に出演した際には、間奏でジャケットを脱ぎ捨てようとしたところ、左袖が引っかかるハプニングが発生。彼はパンキッシュな衣装のデザインの一部として左腕に手錠をつけており、その状態で巧妙にジャケットを左肩に掛けながらパフォーマンスを続け、生放送中のピンチを乗り越えました。

文化的影響

この曲は、その後のテレビ番組『8時だョ!全員集合』でコメディとしてアレンジされ、志村けんによる「勝手にシンドバッド」という再構築されたタイトルで披露されました。このコメディは1978年にデビューしたサザンオールスターズのシングル「勝手にシンドバッド」にも影響を与えています。このように『勝手にしやがれ』は、ただの楽曲以上の文化的な影響を持っていたわけです。

制作背景

楽曲の作詞を手掛けたのは阿久悠、作曲は大野克夫であり、彼らのコンビは後に「ゴールデンコンビ」と呼ばれるようになります。元々はバラード調の16ビートでしたが、編曲を担当した船山基紀の手によってロックテイストに仕上げられています。また、山口百恵の「プレイバックPart2」は本曲のアンサーソングとされており、歌詞の中に「勝手にしやがれ」というフレーズで表現される女性の感情が描かれています。

チャートと売上

『勝手にしやがれ』は、オリコンの週間チャートでピンク・レディーの「渚のシンドバッド」と競争し、最終的に5週連続1位を獲得しました。また、1977年の年間チャートでは4位に入るなど、圧倒的な人気を誇ります。売り上げは89万枚に達し、1975年の「時の過ぎゆくままに」に次ぐ記録で、沢田の代表曲として広く認知されています。

収録曲と参加ミュージシャン

このシングルには「勝手にしやがれ」と共に、「若き日の手紙」が収録されています。「若き日の手紙」は、スローなバラード滑り出しながらも、ラスト部分ではハードロック調に変化していくという、聴き手を飽きさせない工夫がされています。また、参加ミュージシャンにはケニー・ウッド・オーケストラが名を連ねており、羽田健太郎がピアノを演奏しています。

価格とカバー

発売当時の価格は600円でした。以降も多くのアーティストによってカバーされ、1978年にはささきいさおが歌い上げ、1997年にはZERO、さらには2002年には福山雅治、椎名純平など多岐にわたってリメイクが行われました。最新のカバーも2022年に登場しています。

終わりに

『勝手にしやがれ』は、発売から何年経ってもなお、多くの人々に愛され続けている楽曲です。その影響力は、音楽だけでなくテレビ番組や他のアーティストにまで及んでいます。沢田研二の代表作として、これからもその名は語り継がれていくことでしょう。

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