勝浦漁港 (和歌山県)

勝浦漁港：マグロと観光が織りなす和歌山の魅力

勝浦漁港は、和歌山県那智勝浦町に位置する第三種漁港であり、日本を代表するマグロ漁業の拠点としてその名を知られています。周辺は吉野熊野国立公園に指定されており、豊かな自然に囲まれた景勝地でもあります。

世界遺産と温泉に囲まれた漁港

那智勝浦町は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である熊野那智大社や那智の滝など、数多くの観光名所を擁しています。南紀勝浦温泉と共に、勝浦漁港もまた、観光客にとって魅力的なスポットとなっています。

マグロ延縄漁業の一大拠点

勝浦漁港は、特にマグロ延縄漁業の基地として有名で、その陸揚量は焼津漁港、三崎漁港に次いで全国3位を誇ります。特筆すべきは、生鮮マグロの水揚げ高が日本一であることで、勝浦産のマグロは市場で高値で取引されています。港湾周辺には生鮮マグロ専用の加工場や冷凍倉庫が集中しており、県内外の漁船も積極的に受け入れています。また、マグロだけでなく、ふかひれの生産も行われています。

カツオからマグロへ：漁獲対象の変化

勝浦漁港の近海は、かつてカツオの漁場としても知られていました。しかし、近年ではマグロ類に漁獲対象を絞り込むようになり、カツオは串本漁港や田辺漁港など、他の漁港でブランド化が進められています。サンマは新宮港などが主な水揚げ港となっています。

観光客に優しい漁港

温泉街と隣接しているという立地から、勝浦漁港には多くの観光客が訪れます。観光客向けに遊歩道や足湯などの休憩施設が整備され、地元の特産品を販売する朝市も開催されています。これらの取り組みは、勝浦漁港を観光資源として活用し、地域経済の活性化に貢献しています。

千葉県にも存在する勝浦漁港

興味深いことに、勝浦漁港という名称は、房総半島に位置する千葉県勝浦市にも存在します。勝浦という地名は紀伊半島との深いつながりを示唆しており、房総半島の勝浦港はカツオの水揚げで知られています。

漁港のデータ

管理者: 和歌山県
漁業協同組合: 勝浦
組合員数: 181名
漁港番号: 3330040
登録漁船: 208隻
利用漁船: 618隻
属地陸揚量: 14,236トン

歴史

1951年（昭和26年）8月21日 - 第3種漁港に指定

主な魚種

マグロ: クロマグロ（最盛期3月～5月）、メバチ、ビンナガ
カジキ
サメ: ふかひれ用

アクセス

所在地: 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字築地七丁目8番地2
* 交通: 紀勢本線紀伊勝浦駅から徒歩数分

勝浦漁港は、マグロ漁業の拠点としてだけでなく、観光地としてもその魅力を発揮しています。豊かな自然、温泉、そして新鮮な海の幸を求めて、多くの人々がこの地を訪れます。

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