三崎漁港

三崎漁港:日本のマグロ漁業を支える歴史と魅力



神奈川県三浦市に位置する三崎漁港は、東京湾の入口にあり、城ヶ島という自然の防波堤に守られた、全国屈指のマグロの水揚げを誇る漁港です。特定第3種漁港に指定されており、その歴史と役割、そして観光地としての魅力を紐解いていきましょう。

歴史:近世からのマグロ漁業の中心地



三崎漁港の歴史は古く、室町時代後期には紀伊半島の漁師たちが季節漁業のために集落を形成したことに始まります。江戸時代には廻船の寄港地や風待ち港として栄え、相模湾岸各地で獲れた魚介類を集めて江戸へ送る重要な集散地となりました。

明治以降は、神奈川県内だけでなく近隣県や遠く三重県、徳島県、高知県、宮城県などの漁船も集まるようになり、マグロ漁業の中心地として発展していきます。特に昭和初期には、全国に先駆けて南洋漁場への進出を果たすなど、その勢力を拡大していきました。

1922年には三崎町営魚市場(現在の三浦市三崎水産物地方卸売市場)が設立され、1929年には神奈川県有の埋立地に移転。太平洋戦争後の復興期には大資本を呼び込み、日本最大のマグロ漁港へと成長を遂げます。1951年には第3種漁港、1960年には特定第3種漁港に指定されました。

しかし、1955年以降は焼津漁港、1961年以降は清水漁港に水揚げ量で抜かれることになります。これは、所属船の大型化に伴い、三崎漁港を経由せず、大西洋沿岸諸国へ直接水揚げするようになったことなどが原因として挙げられます。それでも、三崎漁港は日本のマグロ漁業において重要な役割を担い続けてきました。1968年には新たな市場が完成し、1994年には現在の場所に移転しています。近年では、京急電鉄による「みさきまぐろきっぷ」の販売など、観光面での取り組みも盛んです。2007年には地元グルメとして「三崎まぐろラーメン」が復活するなど、地域活性化にも貢献しています。

漁港概要:水揚げ量と主要魚種



三崎漁港は、神奈川県が管理し、みうら・城ヶ島・諸磯の漁業協同組合が運営しています。2001年時点での組合員数は940名にのぼります。2003年の水揚げ量は49,084トンを記録し、全国の漁港の中でも上位にランクインしていました。

主な水揚げ魚種はマグロをはじめ、カジキ、キンメダイ、ブリなど多岐に渡り、2004年度にはカジキ、キンメダイ、ブリ、マグロにおいて全国2位、サメとタイ類では全国5位を記録するなど、高い水揚げ量を誇っています。

主な漁業形態としては、遠洋マグロはえなわ漁業、ブリやの養殖、定置網漁業などが行われています。

観光地としての魅力:新鮮なマグロ料理と豊かな自然



漁港周辺には、新鮮なマグロ料理を提供する飲食店が多数あり、東京からのアクセスも良好なことから、日帰り観光地として人気を博しています。城ヶ島や海南神社といった観光スポットも近くにあります。

アクセス



京急久里浜線三崎口駅から京浜急行バスで三崎港へアクセスできます。

まとめ



三崎漁港は、長い歴史と豊富な水産資源、そして観光地としての魅力を兼ね備えた、日本の重要な漁港です。これからも、マグロ漁業の中心地として、そして地域社会の発展に貢献していくでしょう。

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