勝目清

勝目清（かつめ きよし）

プロフィール

勝目清は、1894年2月21日に鹿児島市下竜尾町で生まれました。父親は鉄道院職員の覚衛です。幼少期から教育熱心な環境で育ち、鶴山学舎、鹿児島県師範学校附属幼稚園、鹿児島市立大龍小学校、鹿児島県師範学校附属小学校高等科を経て、鹿児島県立第一鹿児島中学校 (旧制) に入学。その後、第七高等学校造士館 (旧制) を経て、東京帝国大学法学部法律学科に進学しました。しかし、病気のため一時休学し、鹿児島県学務課に勤務した後、東京帝国大学を卒業。その後、東京市電気局工務課に勤務しました。

鹿児島市助役時代

1924年、30歳の時に伊集院俊鹿児島市長に請われ、鹿児島市助役に就任。1936年まで務め、その後、鹿児島信用組合理事、株式会社山形屋取締役を歴任。1943年に助役として再任し、1945年に退任するまで、7代の市長の下で通算13年間助役を務めました。この間、市政運営の中枢を担い、その手腕を発揮しました。

鹿児島市長時代

戦後の1946年、勝目は第14代鹿児島市長に就任しました。翌1947年には初の公選による市長選挙が行われましたが、無投票で当選。1期目は戦災復興に力を注ぎ、市民生活の立て直しに尽力しました。1951年の市長選でも無投票で再選し、市政を安定させました。1955年の市長選では、元参議院議員の前之園喜一郎が立候補し、初の選挙戦となりましたが、市民の支持を得て三選を果たしました。1959年まで市長を務め、退任後には鹿児島市から名誉市民の称号を贈られました。市民からの信頼が厚く、その功績は長く称えられています。

その他の活動

勝目は、政治家としての活動の傍ら、著述活動も行っていました。能楽や郷土史に造詣が深く、『能にあらわれた鹿児島語』や『勝目清回顧録 鹿児島市秘話』といった著書を残しています。また、郷土史に関する論文も発表しており、文化人としても活躍しました。また、西郷隆盛に関する資料の収集にも熱心で、その研究にも貢献しました。

死去

1971年7月11日、勝目清は生涯を閉じました。その死を悼み、市民葬が執り行われました。

編著書

『能にあらわれた鹿児島語』勝目清 1960年
『勝目清回顧録 鹿児島市秘話』南日本新聞社 1963年
勝目清遺稿集編さん会編『鹿児島つれづれ草 勝目清遺稿集』勝目清遺稿集刊行会 1973年

記事・論文

「鹿児島市の現況」『新都市』 第6巻 8号 1952年
「西郷隆盛の写真について 渡辺武氏の所論にことよせて」『日本歴史』 第213号 1966年
「西郷南洲の碑 謫居の地に建つ」『フォト』時事画報社 第309号 1967年
「東郷平八郎 知勇兼備の英雄」『フォト』時事画報社 1971年
「県史編纂と西南役に就きて」諸事不明

共編録音資料

『西郷さんを語る 岩山トクと勝目清鹿児島市長の対談』カセットテープ 1952年

監修

鹿児島市史編さん委員会編『鹿児島市史 第1巻』鹿児島市 1969年

参考文献

歴代知事編纂会編『日本の歴代市長 第3巻』歴代知事編纂会、1983年。
鹿児島市『鹿児島市史 第2巻』鹿児島市、1970年。http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/shishi/kagoshima-03.html。

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