勢多山

勢多山（せたやま）は、北海道河東郡上士幌町に位置する標高996.6mの山です。山頂には二等三角点「瀬多」が設置されています。

概要

石狩山地を構成する東大雪の山の一つで、ウペペサンケ山からナイタイ山へと連なる稜線上の標高約1240mの無名峰から東へ伸びる尾根上に位置しています。さらに東には女夫山が連なります。

勢多山の名前は、南東側を流れる音更川の支流であるセタ川に由来します。古い地図には「セタア」と記載されており、これはアイヌ語で「犬」を意味するとされています。この地名が示すように、古くからこの地域はアイヌの人々の生活と密接な関わりを持っていたと考えられます。

登山について

勢多山には整備された登山道はありません。そのため、一般的には残雪期に登山が行われることが多いです。雪解けが進む前の時期であれば、雪を利用して比較的容易に山頂を目指すことができます。

主な登頂ルートとしては、以下の2つが挙げられます。

1. ナイタイ川沿岸からのルート: ナイタイ川沿いに進み、勢多山の南側の尾根を登るルートです。比較的緩やかな尾根が続くため、体力を消耗しにくいですが、距離がやや長くなる傾向があります。
2. セタ川からのルート: セタ川沿いに進み、南東側の尾根や沢を登って山頂を目指すルートです。急峻な地形が多く、体力が必要となりますが、距離は短く、よりダイレクトに山頂を目指せます。ただし、沢を渡渉する必要があるため、増水時には注意が必要です。

セタ川から登る登山者の中には、女夫山も併せて登る人もいます。勢多山と女夫山は比較的近い位置にあるため、体力に自信のある登山者であれば、一日で両方の山頂を踏破することも可能です。

登山を行う際には、以下の点に注意が必要です。

登山道がないため、地図とコンパス、GPSなどのナビゲーションツールを必ず持参し、現在地を常に把握するようにしましょう。
残雪期の登山となるため、雪崩や滑落に注意が必要です。十分な装備と経験が必要です。
天候が急変する可能性があるため、事前に天気予報を確認し、悪天候の場合は登山を中止しましょう。
獣害対策として、熊鈴などを携帯しましょう。

勢多山は、手つかずの自然が残る静かな山です。登山経験者向けの山ですが、登頂した際には、雄大な景色を楽しむことができます。

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