勧修寺経茂

勧修寺経茂（かじゅうじ つねしげ）は、室町時代中期から戦国時代にかけての公卿で、勧修寺家8代当主として知られています。官位は正二位・権中納言にまで昇りました。

経歴

永享2年（1430年）に、参議を務めた勧修寺経直の子として誕生しました。公卿としての道を歩み始め、長禄4年（1460年）12月5日には参議に任じられました。しかし、応仁の乱の戦火を逃れて京を脱出する憂き目に遭い、その際の落魄した様子は乞食のようだったと伝えられています。当時の社会情勢の混乱が、公家社会にも大きな影響を与えていたことが窺えます。

系譜

父：勧修寺経直（生年不詳 - 1449年）
母：不詳
養父：勧修寺教秀（1426年 - 1496年）
妻：不詳
男子：坊城俊名 - 坊城俊顕の養子
養子：勧修寺政顕（1452年 - 1522年） - 勧修寺教秀の子

実子である坊城俊名は坊城家へ養子に出されています。また、勧修寺政顕は養子として迎えられています。このことからも、当時の公家社会における家格維持や家督相続の複雑な事情が見て取れます。

勧修寺経茂が生きた時代は、室町幕府の衰退と戦国時代の幕開けが重なる激動の時代でした。応仁の乱をはじめとする戦乱は、社会全体に大きな影響を与え、公家社会も例外ではありませんでした。その中で、勧修寺経茂は公卿として、また勧修寺家の当主として、家を守り、存続させるために尽力したと考えられます。しかし、詳しい事績については史料が限られており、不明な点も多く残されています。

勧修寺家は、代々学問や文化に造詣が深く、多くの学者や文化人を輩出しました。勧修寺経茂もまた、そうした家風を受け継ぎ、文化的な活動にも貢献した可能性があります。しかし、戦乱の時代であったため、文化的な活動よりも家を守ることに奔走したのかもしれません。今後の研究によって、勧修寺経茂の人物像や業績がより鮮明になることが期待されます。

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