勧修寺教秀

勧修寺教秀（かじゅうじ のりひで）：室町・戦国期の公卿

勧修寺教秀は、室町時代中期から戦国時代にかけて活躍した公卿で、勧修寺家第7代当主です。彼は武家伝奏を務め、朝廷と幕府の連絡役として重要な役割を果たしました。

生涯

教秀は、第5代当主・勧修寺経興の子として生まれました。しかし、経興の跡は一旦、叔父（経興の弟）である経直が継ぎ、第6代当主となります。その後、教秀は経直の養子となり、最終的に第7代当主となりました。

教秀は、勧修寺家の歴代当主の中で初めて足利将軍家から偏諱を授与された人物です。第6代将軍・足利義教から一字を賜り、「教秀」と名乗りました。この事実は、当時の勧修寺家と幕府との関係の深さを示唆しています。

公卿としてのキャリアも順調で、享徳2年（1453年）に参議、文明3年（1471年）には権大納言に任ぜられました。さらに、明応5年（1496年）には准大臣・従一位に叙せられるという栄誉に浴しました。

明応5年7月11日、教秀は71歳で薨去しました。その死後、左大臣を贈位されています。教秀の後を継いだのは、養父・経直の実子である経茂で、第8代当主となりました。

系譜

父：勧修寺経興（1396-1437）
母：不詳
養父：勧修寺経直（生年不詳-1449）
正室：飛鳥井雅永の娘

男子：勧修寺政顕（1452-1522）
女子：勧修寺房子 - 後土御門天皇典侍
女子：勧修寺藤子（1464-1535） - 後柏原天皇典侍、豊楽門院、後奈良天皇国母

生母不明の子女

男子：松殿忠顕
男子：万里小路賢房
男子：御荘顕賢
女子：今出川公興室
女子：蓮綱兼祐室
三女：三条西実隆室

養子

男子：勧修寺経茂（1430-1500） - 勧修寺経直の子

教秀の系譜を見ると、彼が多くの子女に恵まれ、その娘たちが天皇の典侍となったり、有力な公家や武家へ嫁いだりすることで、勧修寺家の地位を盤石なものとしていたことがわかります。また、養子として経茂を迎えたことは、家の存続に対する強い意識の表れと言えるでしょう。

勧修寺教秀は、室町時代から戦国時代という激動の時代を生き抜き、勧修寺家の発展に大きく貢献した人物として、歴史に名を残しています。

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