包帯クラブ

包帯クラブ

概要

『包帯クラブ』（ほうたいクラブ）は、天童荒太による日本の小説で、2007年に同名の映画が公開されました。また、この作品をもとにされた映画の公開によって多くの支持を受け、話題となりました。

物語は、主人公である高校生ワラが、両親の離婚をきっかけに無気力な日々を送っているところから始まります。ある日、彼は病院の屋上でディノという独特な発想を持つ少年と出会います。ディノは傷に対して独自のアプローチを提案し、実際の怪我に包帯を巻くのではなく、それを引き起こした原因に巻くのです。たとえば、フェンスで手を怪我した場合、手ではなくフェンスに包帯を巻く姿に、ワラは一時的に心を奪われます。

初めは冷たく接したワラでも、友人の怪我を見て同じように包帯を巻くことが彼の心を動かし、ディノと共に「包帯クラブ」を結成することになります。最初は表面的な興味から始まった活動ですが、次第に彼は他者の傷やトラウマを理解していく中で、自分自身の変化を感じ始めるのです。この過程を通じて、彼らの友情や支え合いの大切さが描かれていき、観る者に深い共感を呼び起こします。

書籍詳細

小説は2006年に単行本として出版され、その後2013年に文庫本として再版されました。文庫版の表紙イラストは、五十嵐大介が手掛けています。

映画

映画版は2007年9月15日に公開され、全編が群馬県高崎市で撮影されました。主演には柳楽優弥がディノ役を、石原さとみがワラ役を演じるなど、実力派のキャストが揃い、特に若年層からの支持を集めました。公開前には、安価な早割チケットも販売され、観ることのできる機会が広がりました。

映画は、全国204スクリーンで公開されましたが、興行的には思うような成果を上げられませんでした。それでも評価は高く、2007年度のブルーリボン賞では邦画ベストテンに選ばれるなど、作品としての質が認められました。また、作品に関心を持たれた視聴者によって、地域のカラオケ店や予備校での試写会も行われ、話題を呼びました。

キャストとスタッフ

キャストには、他にも田中圭や貫地谷しほりなどが名を連ね、各々が個性的なキャラクターを演じました。監督を務めたのは堤幸彦で、脚本は森下佳子が担当。音楽はハンバート ハンバート、主題歌は高橋瞳が歌う「強くなれ」です。

関連商品とメディア

映画化に伴い、2007年には漫画版も出版され、全2巻からなります。また、公式サイトや各種映画レビューサイトでも多くの情報が提供されています。

『包帯クラブ』は、青春時代の心の痛みや人との繋がりを描いた作品であり、見る人に感動と考えさせられるメッセージを届けます。

もう一度検索