北上花巻道路

北上花巻道路（岩手県）の概要と目的

北上花巻道路は、岩手県北上市村崎野（北上工業団地口交差点）を起点とし、花巻市山の神（花巻東B.P.南口交差点）を終点とする、全長約3.1kmの国道4号の改良事業です。この区間は、長らく対面通行の2車線区間として残されており、交通量の増加に伴い、慢性的な渋滞が発生していました。

道路の重要性

国道4号は、東京都から青森県に至る総延長約850kmの幹線道路であり、東日本の背骨を形成する重要な役割を担っています。岩手県内においても、沿岸部の国道45号や東西軸の国道46号、国道107号などと共に、東北自動車道などの高規格幹線道路を補完する役割を果たしています。

特に、一関市から花巻市にかけての地域は、工業と農業が盛んな地域であり、物流を支える基盤として国道4号の重要性が高くなっています。また、世界遺産の平泉中尊寺や宮沢賢治ゆかりの花巻市など、観光資源へのアクセス路としても、地域の観光振興に貢献しています。

課題と対策

北上花巻道路の区間は、交通量の増加に加え、道路幅が狭く、冬期間の積雪による旅行速度の低下が課題となっていました。また、車線減少区間での事故や渋滞時の追突事故も発生しており、安全性にも問題がありました。キオクシア（旧東芝メモリ）などの企業が進出する北上工業団地へのアクセス改善や、災害拠点病院である岩手県立中部病院への搬送路確保も重要な課題でした。

これらの課題を解決するため、国土交通省は当該区間の4車線化を計画しました。2019年度から整備事業に向けた事前評価などを実施し、2020年度に新規事業化されました。

期待される効果

北上花巻道路の完成により、以下の効果が期待されています。

交通の円滑化: 4車線化により、渋滞が緩和され、移動時間の短縮が期待されます。
安全性の向上: 道路幅の拡大や歩道整備により、交通事故の減少が期待されます。
地域経済の活性化: 物流効率の向上や観光客の増加により、地域経済の活性化に貢献します。
アクセス性の向上: 花巻空港や東北自動車道花巻パーキングエリアへのアクセスが向上します。

沿革

沿線地域では、かねてより国道4号の改良を要望しており、「国道4号岩手県南地域拡幅整備促進期成同盟会」が国土交通省に陳情を行ってきました。その結果、2019年度から交差点改良などの事業が開始され、社会資本整備審議会での審議を経て、全線拡幅の計画が決定されました。2020年度には新規事業化され、本格的な整備が開始されることとなりました。

北上花巻道路の整備は、地域住民の生活を支え、地域経済の発展に貢献する重要な事業です。早期完成が期待されています。

もう一度検索