北九州市歌

北九州市歌：地域の歴史と文化を紡ぐ歌

「北九州市歌」は、福岡県北九州市の市歌として、市民に親しまれています。本記事では、この市歌の背景にある歴史や、前身である五つの市の旧市歌について解説します。

北九州市歌について

北九州市歌は、1963年（昭和38年）の5市合併を記念して制作されました。歌詞は一般公募により選ばれ、制定は合併から2か月後の4月2日。九州初の政令指定都市となった翌日という記念すべき日でした。作詞は平尾一男、作曲は長谷川良夫が担当しました。

歌詞は全3番から構成され、地域の情景が豊かに表現されています。1番では玄海、2番では八幡製鐵所や若戸大橋といった、北九州市を象徴する風景が描かれています。関門海峡や小倉城など、他の名所は歌詞には含まれていません。

北九州市には、市歌の他にも関連楽曲が存在します。合併15周年を記念して作られた合唱組曲「北九州」（作詞：栗原一登、作曲：團伊玖磨）や、市民憲章制定を記念した市民愛唱歌「緑のまちにしませんか」（作詞：山田正文、作曲：中村清治）などが、市民に親しまれています。

前身各市の市歌

北九州市は、門司、小倉、戸畑、八幡、若松の5市が合併して誕生しました。合併前の各市も、それぞれ独自の市歌を持っていました。2001年4月23日には、毎日新聞西部本社版で「旧五市のうた自慢」と題した記事が掲載され、各市の旧市歌が紹介されています。

門司市歌

「門司市歌」は、1930年（昭和5年）4月21日に制定されました。作詞は山田文夫、作曲は岡野貞一が担当しました。現在も門司区役所前に歌碑が設置されており、その旋律は福岡県立門司大翔館高等学校の校歌に転用されています。

小倉市歌

「小倉市歌」は、1930年（昭和5年）6月20日に制定されました。作詞は内山哲也、作曲は永井平次が担当しました。戦後には歌詞が改訂されています。

戸畑市歌

「戸畑市歌」は、1937年（昭和12年）2月10日に制定されました。作詞は加藤参郎、作曲は古関裕而が担当しました。廃止直前の1957年（昭和37年）には、歌詞の一部が改訂されています。

八幡市歌

「八幡市歌」は、1927年（昭和2年）に市制10周年を記念して制定されたと考えられています。作詞は八波則吉、作曲は矢野勇雄が担当しました。

若松市歌

「若松市歌」は、1937年（昭和12年）5月18日に制定されました。

北九州市歌とその前身である各市の市歌は、地域の歴史や文化、市民の誇りを象徴する貴重な文化遺産と言えるでしょう。

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