北京ダック (曲)

北京ダック - 細野晴臣のシングル

「北京ダック」は、日本の著名なシンガーソングライター・細野晴臣の3枚目のシングルとしてリリースされました。この曲は中華街で発生した火事を背景に、アヒルが慌てて逃げ出す様子を描いています。普段は美味しい料理として知られる北京ダックが、アヒル自身の視点で語られるというユニークなストーリーが展開され、最後には逃げ出したアヒルを抱える娘の姿で締めくくられます。

この曲は1975年に発表された細野の2枚目のアルバム『トロピカル・ダンディー』に収録されていますが、シングルに収められているバージョンはアルバムとは異なるアレンジが施されています。細野の元マネージャーである長門芳郎の話によれば、「北京ダック」は新録のシングルとしてのリリースが当初計画されていたとされています。そのため、シングルバージョンは特別な意味を持つ楽曲なのです。

シングルとしての「北京ダック」はその後、CDボックスセット『HOSONO BOX 1969-2000』や、『CARAMEL PAPA〜PANAMソウル・イン・トーキョー』、また『Harry Hosono/Crown Years 1974-1977』のボーナストラックにも収録されるなど、今でも多くのファンに親しまれています。さらに、「ティン・パン・アレー セレクション」や、横浜をテーマにしたコンピレーションアルバム『横浜幻想』にも収められています。

この楽曲の舞台は神奈川県横浜市中区山下町の横浜中華街です。細野は実際にこの中華街の「同發新館」というレストランでライブを行い、その際にも「北京ダック」を披露しています。彼はこの曲を「北京ダックという御馳走の歌」と紹介しており、その後も多くの人々の心に残る存在となっています。また、40年後の2016年には同じレストランで「細野晴臣 A Night in Chinatown」というライブを開催し、初日の1曲目に「北京ダック」を選ぶなど、彼にとって特別な意義を持つ曲であることが伺えます。

シングルのB面には「Black Peanuts」が収録されています。この曲は3枚目のアルバム『泰安洋行』にも収められていますが、シングルバージョンとアルバムバージョンに違いは見られません。

収録曲

• - SIDE-A

北京ダック
作詞・作曲・編曲：細野晴臣

• - SIDE-B

Black Peanuts
作詞・作曲・編曲：細野晴臣

演奏者

• - 北京ダック

- 細野晴臣：ボーカル、アコースティックギター、シロフォン、エレクトリックベース
- 鈴木茂：エレクトリックギター
- 林立夫：ドラムス
- 佐藤博：ピアノ、クラヴィネット
- 浜口茂外也：パーカッション
- 岡崎弘：アルトサックス
- 村岡健：テナーサックス
- 砂原俊三：バリトンサックス

• - Black Peanuts

- 細野晴臣：ボーカル、エレクトリックベース、ピアノ、マリンバ、コーラス
- 鈴木茂：アコースティックギター、コーラス
- 林立夫：ドラムス、コーラス、パーカッション
- 岡田徹：アコーディオン

「北京ダック」の独特な世界観と、細野晴臣の音楽的な探求心が融合したこの楽曲は、今なお多くのファンに愛され続けています。

もう一度検索