北京中赫国安足球倶楽部

北京国安足球倶楽部：中国サッカー界を彩る名門クラブの軌跡

北京国安足球倶楽部（ペキン-こくあん-そっきゅうくらぶ）は、中国・北京市をホームタウンとする、中国プロサッカーリーグ（中国超級）に加盟する名門プロサッカークラブです。通称は「北京国安」として知られています。

クラブの概要

1951年に創設された北京国安は、長年にわたり中国サッカー界のトップクラブとして君臨してきました。クラブの名称は、親会社である中信国安グループに由来します。同グループは、中国最大の金融コングロマリットである中国中信グループ（CITIC Group）の一部門で、事業投資や情報インフラ投資を主な事業としています。2021年6月には、不動産業を手掛ける中赫置地有限公司がクラブの株式を100％取得し、クラブ名も「北京中赫国安足球倶楽部」から「北京国安足球倶楽部」へと変更されました。

歴史：中国サッカーの黎明期から国際舞台へ

北京国安の歴史は、1951年に設立された北京足球隊に遡ります。アマチュア時代には、中国全国足球甲級リーグで7度の優勝を誇り、中国FAカップでも2度の優勝を飾るなど、その強さは圧倒的でした。1992年には北京市体育局と共同で北京国安足球倶楽部が設立され、プロ化への道を歩み始めました。1997年には中信国安グループの管理下に入り、2002年には北京現代汽車有限公司がスポンサーとなり、チーム名を「北京国安足球倶楽部北京現代汽車隊」と称しました。

2007年にはオランダの名門アヤックスと提携し、その育成理論を導入。同年には中国サッカーリーグ2位となり、AFCチャンピオンズリーグへの初出場を果たしました。AFCチャンピオンズリーグでは、2010年に初の決勝トーナメント進出を果たすなど、アジアの舞台でもその存在感を示しました。2013年には、当時の中国リーグ最高額となる4億7000万円でピーター・ウタカを獲得するなど、積極的な補強も行いました。

2015年には、張稀哲がVfLヴォルフスブルクへ移籍するなど選手の入れ替わりがありましたが、大連阿爾濱から于大宝、河南建業から李磊などを獲得。2016年には元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏を招聘しましたが、成績不振により解任。その後、監督にはホセ・ゴンサレスが就任し、2017年には中赫置地有限公司がクラブの最大株主となりました。

2018年には于大宝がキャプテンに就任し、スペイン代表歴のあるジョナタン・ビエラやコンゴ民主共和国代表のセドリック・バカンブを獲得。中国足協杯（FAカップ）では4度目の優勝を飾りました。

2019年には、韓国代表DFの金玟哉、中国帰化選手の李可と侯永永、中国代表FW張玉寧を獲得。李可は、中国超級リーグ初の中国帰化選手として公式戦に出場し、初ゴールを記録しました。同年には、中国超級リーグで開幕から10連勝という記録を達成。2020年にはAFCチャンピオンズリーグで初のベスト8に進出しました。

2021年には、ジェネジオ監督が退任し、クロアチア人のスラベン・ビリッチが新監督に就任。

タイトルと表彰

北京国安は、国内タイトルとして中国サッカー・超級リーグで1回、中国FAカップで4回、中国サッカー・スーパーカップで2回の優勝を誇ります。また、中国サッカー協会からは最優秀新人賞や最優秀監督賞、超級リーグからは得点王やベストイレブン、フェアプレー賞など、数々の個人賞も獲得しています。

クラブの変遷

クラブ名は、1992年から2016年まで「北京国安足球倶楽部」、2017年からは「北京中赫国安足球倶楽部」に変更されました。また、国外関連クラブとして、シンガポールリーグに北京国安チームを参加させたこともありました。近年では、中赫グループがチェコのクラブ、スラヴィアプラハの株式を取得するなど、グローバルな展開も行っています。

北京国安は、中国サッカー界を代表する名門クラブとして、国内外で多くのファンを魅了し続けています。その歴史と実績は、中国サッカーの発展とともに、これからも語り継がれていくでしょう。

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