北代正臣

北代正臣

北代正臣（きただい まさおみ、生年不詳 - 1908年（明治41年）1月25日）は、幕末の土佐藩士であり、明治期には官僚、裁判官として活躍しました。青森県権令も務めました。幼名は忠吉、諱は恕。

生い立ちと幕末の活動

北代正臣は、土佐国土佐郡小高坂村（現在の高知県高知市西町）で、北代正親の長男として生まれました。幕末の動乱期には土佐勤王党に加わり、国事に奔走しました。土佐藩では、勘定人小荷駄高作配役、山内容堂上京の御供達御算用役并切手役、長崎出張御用金方などの役職を歴任し、藩政にも深く関わりました。

明治新政府での活躍

明治維新後、北代は新政府に登用され、明治元年（1868年）には外国官御用掛に就任しました。その後、外務大禄、民部省監督権正、同省庶務正などを歴任しました。明治5年（1872年）には大蔵省六等出仕となり、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

青森県権令としての活躍

1873年6月、青森県では給禄を巡って菱田重禧権令と弘前士族の間で対立が発生しました。政府は北代を派遣し、地元の豪商との交渉により米の供出に成功させ、この問題を解決に導きました。この功績により、同年8月20日、北代は菱田の後任として大蔵省五等出仕兼青森県権令に任命されました。1874年1月15日には、青森県権令の専任となりました。

その後の官僚としてのキャリア

しかし、北代は間もなく大久保利通から佐賀の乱への随行を誘われ、同年2月10日には内務省五等出仕に転じました。その後、内務少丞、内務大丞と昇進し、明治天皇の東北巡幸にも随行しました。1876年8月1日には、塩谷良翰青森県参事の辞任を受けて再び青森県権令を兼任しましたが、同年8月20日にはその兼任を解かれました。その後は、内務省庶務局長に就任しました。

裁判官としての転身

その後、北代は司法省に移り、判事、大阪府控訴裁判所詰、東京控訴裁判所詰、第二代東京重罪裁判所長などを歴任しました。さらに、農商務省参事官、兼総務局文書課長、逓信書記官・文書課長なども務めました。

退官と晩年

逓信大臣であった後藤象二郎と衝突し、1891年3月31日に依願免本官となり退官しました。その後、どのような晩年を送ったのかは不明ですが、激動の時代を駆け抜けた人物として、その名は歴史に刻まれています。

栄典

1873年（明治6年）12月8日 - 正六位
1886年（明治19年）11月30日 - 勲六等単光旭日章
* 1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章

北代正臣は、幕末から明治という激動の時代において、その才能を発揮し、様々な分野で活躍した人物でした。彼の足跡は、日本の近代化の過程を知る上で重要な手がかりとなります。

もう一度検索