北原しげみ

北原しげみ：東映時代劇を彩った女優

北原しげみ（1943年2月12日 - ）は、日本のベテラン女優である。東京府東京市（現東京都）出身。本名は横浜賀美。

彼女のキャリアは、東映東京撮影所製作の現代劇からのスタートだった。若手時代は、数々の現代劇作品に出演し、演技経験を積んだ。転機となったのは1962年、東映京都撮影所製作の時代劇『あべこべ道中』への出演である。この作品で東千代之介と共演し、お姫様を演じたことが、彼女の女優人生に大きな影響を与えた。

『あべこべ道中』以降、北原しげみは時代劇に多く出演するようになる。星輝美や立川さゆりらと共に、「東映城のお姫様」と呼ばれる若手女優の一人として注目を浴びた。都会育ちの一人っ子であった彼女は、京都での撮影生活について「旅館の夜は淋しくてたまらない」と語っており、そのギャップもまた彼女の魅力の一部であったと言えるだろう。

彼女のフィルモグラフィーは多岐にわたる。1960年代には、『殴りつける十代』『波止場野郎』『決斗の谷』『十七才の逆襲　暴力をぶっ潰せ』『嵐の中の若者たち』といった現代劇から、『あべこべ道中』『男度胸のあやめ笠』『まぼろし天狗』『紀州の暴れん坊』など数多くの時代劇作品に出演。その演技力は、時代劇のみならず現代劇においても高く評価されていた。

映画以外にも、テレビドラマへの出演も多数ある。代表的な作品としては、『柔道一代』『鉄道公安36号』『七人の刑事』『特別機動捜査隊』など、人気シリーズへの出演も多い。これらの作品で、彼女は様々な役柄を演じ分け、視聴者の心を掴んだ。時代劇から現代劇、そしてコメディやシリアスな役柄まで、幅広い演技力と存在感で多くの作品に彩りを添えた。

北原しげみは、映画『悪魔の手毬唄』（1961年）、『柳生武芸帳　片目の十兵衛』（1963年）、『新選組血風録　近藤勇』（1963年）、『海軍』（1963年）、『五番町夕霧楼』（1963年）など、数多くの作品で重要な役どころを演じている。これらの作品を通じて、彼女は日本の映画史、そしてテレビドラマ史に大きな足跡を残した。

晩年まで精力的に活動を続けた北原しげみ。多くの作品で印象的な演技を披露し、日本の映画・テレビドラマ界に貢献した女優として、その功績は高く評価されている。現代の観客にも、彼女が残した多くの作品を通じて、その魅力に触れることができるだろう。彼女の幅広い演技力と、時代劇における華麗な活躍は、これからも多くの人々に記憶されるであろう。

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