北城浩志

北城浩志：音楽の多才な職人

北城浩志（きたしろ ひろし、Hiroshi Kitashiro）は、1962年5月19日生まれの、日本を代表するレコーディング&ミキシング・エンジニア、マスタリング・エンジニア、シンセサイザープログラマー、そして音楽プロデューサーです。青森県八戸市出身であり、その才能は多岐にわたります。

経歴

1980年に上京後、東京ミキシングスクールで音楽の基礎を学びました。在学中には、著名な作曲家・編曲家である佐藤準に師事し、アシスタントとして数年間腕を磨きました。この時期から、シンセサイザープログラマーとしての仕事も徐々に開始しています。

1982年、株式会社アダージオに所属し、1986年には同社内でシンセサイザープログラマー部門を立ち上げ独立。ローディーからマニピュレーターへとキャリアを重ねました。1988年には、日本シンセサイザープロフェッショナルアーツの理事に就任しています。

1993年にアダージオを退社し、フリーランスとして独立。翌1994年には、有限会社北城音楽事務所を設立し、自身の音楽制作の拠点としました。

主要な活動

北城氏は、レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニアとして、数多くのアーティストの作品に参加しています。その中でも、椎名林檎の初期の作品（「幸福論」「歌舞伎町の女王」「ここでキスして。」『無罪モラトリアム』）における音楽プロデュース、レコーディング・エンジニア、マニピュレーターとしての貢献は特筆されます。また、angelaのアルバム『PRHYTHM』では、レコーディング、ミキシング、シンセサイザーを担当し、その多才ぶりを発揮しました。

2006年には、テレビアニメの音楽を手がける北城かずみと音楽ユニット『Di'LL（ディル）』を結成し、2007年にはテレビアニメ『しゅごキャラ!』の音楽を担当するなど、作曲家としても活動の幅を広げています。

その他、映画音楽の制作にも携わり、2008年の『ちーちゃんは悠久の向こう』、2009年の『腐女子彼女。』などの作品で音楽を担当しました。2016年には、『映画 聲の形|映画_聲の形』のサラウンド音楽ミキシングを手がけるなど、映像作品における音響面での才能も高く評価されています。

幅広いジャンルでの活躍

北城氏の活動は、J-POPにとどまらず、クラシック音楽や海外のアーティストの作品にも及んでいます。クラシックのソプラノ歌手・渡邊史のアルバム制作に参加したり、台湾のアーティスト・嚴爵（Yen-j）のレコーディングでミキシング・エンジニアを担当するなど、ジャンルや国境を越えてその才能を発揮しています。

使用機材

DAWはProTools 10を使用。

アナログ・シンセサイザーはOberheim Xpander / Oberheim Matrix 1000 / Oberheim SEM / Roland MKS-80/ Studio Electronics MIDI MOOG

サンプラーはAKAI S5000 / Emusystems Emu3 Xp Turbo

FM シンセサイザーはYAMAHA SY99 / TG77 / TX802 / TX816(3台）

デジタル・シンセサイザーはEnsonic SQR / KORG M1r / Roland D550 / Roland JD990 / Roland JV2080 / Waldorf Microwave XT

ドラム・モジュールはSimmons ClapTrap

専用モジュールはRoland MKS-20 / EmuSystem Prodormance

予備機材はJensen HA / Urei 1178 / LEXCON #97 / MOOG Effector / Roland Vocoder

使用音楽編集ソフトはOpcode Galaxy Plus Editors 2.02 / Emu EIIIX RC/Lib v1.2.10 Interval Music SBASE v1.0.3 Digidesign Sample Cell Editor / Sound Designer II / Disc-To-Disk 1.0 Steinberg Re-Cycle!! / Invision Interpreter 1.0

著書

1996年には、『プロが教えるVision for Macintosh』を執筆し、自身の音楽制作のノウハウを公開しました。

北城浩志は、その幅広い知識と経験、そして卓越した技術によって、日本の音楽シーンに多大な貢献を果たしている音楽家であると言えるでしょう。

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