北山王国

北山王国の概要

北山王国（ほくざんおうこく）または山北王国（さんほくおうこく）は、琉球の三山の一つであり、主に沖縄県北部の国頭地方を中心に存在した王国です。この地域は、中国（明）から「山北」と呼ばれました。

範囲

北山王国の範囲は、王国が存続した時代により異なる見解が存在します。最大版図としては、現代の沖縄本島の国頭九ヶ間切や伊江島、伊是名島、伊平屋島などの周辺の離島が含まれていました。興味深いことに、鹿児島県に属する与論島と沖永良部島も北山王国の地に含まれたという説があります。沖永良部島の伝承では、さらに南方の徳之島、奄美大島、喜界島まで北山の領域とされることもあります。しかし、これまでの研究では細かい範囲がはっきりしない部分も多く、地域の歴史が複雑であったことを示しています。

歴史

北山王国の歴史は、14世紀の初めに始まります。当時、北山世主の今帰仁按司が周辺の按司たちを従え、今帰仁城を領したとされています。1322年頃、羽地按司（怕尼芝）が北山王国を建国し、南部の大里按司（承察度）や中部の浦添按司と共に「三大按司」と称される勢力を形成しました。この時期の北山世主の治めた時代は「中北山」とされ、羽地統治の時代を「後北山」と区分しています。

また、14世紀の間に沖永良部島や与論島も北山王国の影響を受けるようになりました。

朝貢貿易

北山王国は明との交易や朝貢にも力を入れ、1383年には模結習を使者として中国に貢物を持参しました。1394年には、北山王の珉が明に朝貢したとされています。歳月を経て1385年には、北山王が「琉球国山北王」として認可され、多くの使者が明に派遣され商取引を行っていましたが、彼らの詳細は記録が不明です。

滅亡

北山王国は、進貢貿易を通じて繁栄を享受しましたが、1406年もしくは1416年に中山王国の尚巴志に征服され、王国は滅亡しました。滅亡後は北山監守が設置され、王城の中心は引き続き今帰仁城に置かれました。この地域では、北山王国に属していた沖縄本島北部と離島では特有の方言が話され、歴史的な影響が色濃く現れています。

歴代の国王

1. 嫌尼芝（羽地：はにじ） - 在位：1322年頃 - 1395年
2. 珉（みん） - 在位：1396年頃 - 1400年
3. 攀安知（羽地：はんあんち） - 在位：1401年頃 - 1416年

北山王国の歴史は、琉球という地域の文化や人々の生活に深く根ざしており、今日においてもその影響は多くの側面から読み取ることができます。特に、方言や伝承はこの古代王国の栄華を物語る重要な要素となっています。

もう一度検索