今帰仁城

今帰仁城の歴史と特徴

今帰仁城（なきじんぐすく、または北山城）は、沖縄県国頭郡今帰仁村に位置する歴史的な城跡です。この城は、14世紀に琉球王国が形成される前、北山王国の王の居城であり、今も多くの歴史を秘めています。現在、国指定の史跡として保護されているだけでなく、ユネスコの世界文化遺産としても登録されています。

伝説と略歴

今帰仁城については、地元の伝説においてこの地の初代主が築いたとされていますが、この伝説は舜天王統の成立以前にさかのぼります。利勇の反乱によって、王統は崩壊したとされ、発見された遺跡の時代は12〜13世紀であることが明らかになっています。

歴史記録によると、舜天の異母兄である大舜、その子が城主となり、後には舜天二世とその子孫がこの城を継承しました。湧川王子もこの城主となり、彼の一族は代々城主として知られましたが、その後、内紛により彼らは滅亡しました。北山王国は1416年に中山王に滅ぼされ、その後、北山監守が設置されました。1609年の琉球侵攻の際には、ここも重要な攻撃対象となりました。

今帰仁城の概要

「おもろさうし」にある古名「みやきせん」からもわかるように、今帰仁城は歴史的に重要な地でした。城内からは中国や東南アジア製の陶磁器が多く出土しており、当時の経済的繁栄を物語っています。1416年以降、長い間北山地区の重要な拠点として機能してきました。

また、現在も石垣や他の遺構の整備が進んでおり、1972年には国の史跡に指定されています。城への入口を進む道には、毎年1月下旬から2月初旬にかけてカンヒザクラが咲き誇り、観光地としても人気があります。さらに、志慶真乙樽歌碑や多くの歴史的な碑文も存在しています。

2000年、今帰仁城跡はユネスコの世界遺産に登録され、2006年には日本100名城の一つとして選ばれました。また、2010年には史跡範囲が拡大され、現在の名称「今帰仁城跡 附シイナ城跡」へと改められました。

城域と出土品

今帰仁城は、南北350メートル、東西800メートル、面積約37,000平方メートルを誇る、県内でも有数の城であり、城郭は複数に分かれています。本丸の王邸や武士の邸宅跡が確認され、広い城下や出城も存在します。

出土品としては、14世紀から15世紀の中国製の陶磁器が多くあり、貿易の影響が示されています。他にも高麗青磁器や地域内外からの焼物、武具や祭祀用具などが出土しており、当時の文化の豊かさを物語っています。

附シイナ城跡

今帰仁城跡から南東6キロに位置するシイナ城跡は、13世紀中に築かれましたが、短期間で廃城となっています。この城は、今帰仁の築城前の中心的な拠点としても知られていますが、水の供給が不十分であったため、今帰仁城に拠点が移されたと伝えられています。

現地情報とアクセス

現在、世界遺産としての認識が高まる中、城跡は整備や修復作業が進められています。入場料は大人600円、中高校生450円、小学生以下は無料で、今帰仁村歴史文化センターとの共通券となっています。

アクセスは多様で、バスがいくつかの路線で運行されており、最寄りのバス停から徒歩でのアクセスが可能です。どうぞ、この歴史深い城跡を訪れて、琉球の歴史を感じてください。

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