北川忠彦

北川忠彦

北川忠彦（きたがわ ただひこ、1927年1月27日 - 1994年4月3日）は、日本の国文学者であり、特に能・狂言研究の分野で卓越した業績を残しました。

経歴

愛媛県松山市出身。京都大学文学部を卒業後、研究者としての道を歩み始めました。愛媛大学助教授、立命館大学助教授を経て、天理大学教授、京都女子大学教授、龍谷大学教授を歴任し、後進の育成に尽力しました。1994年4月3日、膵臓癌のため逝去。

業績

北川忠彦は、能・狂言研究において、多岐にわたる研究成果を発表しました。世阿弥の研究をはじめ、能の歴史的変遷、狂言の詞章や演出、中世文学における能・狂言の位置づけなど、幅広いテーマに取り組みました。実証的な研究に基づいた精緻な分析と、伝統芸能に対する深い愛情に根ざした考察は、多くの研究者から高く評価されています。

著作

主な著作として、以下のものが挙げられます。

単著
狂言百番 葛西宗誠 写真（淡交新社、1964年）
世阿弥（中公新書、1972年・講談社学術文庫、2019年※解説:土屋恵一郎）
観阿弥の芸流（三弥井選書・三弥井書店、1978年）
源氏の旗風 義経物語（平凡社名作文庫・平凡社、1978年）
軍記物論考（三弥井選書 三弥井書店、1989年）
狂言歌謡考（和泉書院、1996年※解説:伊藤正義）

編著・共編著
中世の文学・日本文学史3 久保田淳共編（有斐閣選書・有斐閣、1976年）
軍記物の系譜（世界思想社、1985年）

校注
狂言集 安田章と校注（日本古典文学全集・小学館、1972年）
閑吟集・宗安小歌集（新潮日本古典集成・新潮社、1982年）
天理本狂言六義 中世の文学 橋本朝生、関屋俊彦共校注（三弥井書店、1994年-1995年）

これらの著作は、能・狂言研究における重要な参考文献として、現在でも広く活用されています。

影響

北川忠彦の研究は、能・狂言研究の発展に大きく貢献しました。彼の研究成果は、能・狂言研究者のみならず、広く日本文化研究に携わる人々に影響を与え続けています。また、教育者としても多くの人材を育成し、日本の伝統芸能研究の裾野を広げました。

まとめ

北川忠彦は、能・狂言研究に生涯を捧げた国文学者でした。その研究は、日本の伝統芸能研究に多大な貢献を果たし、後世に大きな影響を与え続けています。

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