北方対策本部

北方対策本部

北方対策本部（ほっぽうたいさくほんぶ、英語名称：Northern Territories Affairs Administration）は、日本の官公庁として内閣府に置かれている特別の機関です。この組織は、我が国がロシアにより占拠されている北方地域、具体的には択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島といった北方四島の早期返還を実現することを目的としています。政府内の関係省庁や地方公共団体、さらには関連する民間団体など、幅広い関係者との緊密な連携・調整を図りながら、北方領土問題の解決に向けた様々な取り組みを推進しています。

組織の沿革

北方対策本部の設置は、1972年5月15日に総理府の機関として行われました。これは、沖縄開発庁の設置に伴い沖縄・北方対策庁が廃止された後、北方対策に関する事務を引き継ぐ組織として設立されたものです。設立当初は、総理府総務長官が本部長を兼務し、総理府総務副長官が副本部長を務めました。

その後、組織改編を経て、1984年7月1日には総務庁の特別の機関へと移行しました。これは、総理府の主要部門と行政管理庁が統合されて総務庁が発足したことに伴うものです。この時期は、総務庁長官が本部長に、総務事務次官が副本部長にそれぞれ就任しました。

さらに、2001年1月6日の中央省庁再編により、総務庁の所管事務が総務省と内閣府に再編されたことを受けて、北方対策本部は内閣府の特別の機関として位置づけられることになりました。現在の体制では、内閣府特命担当大臣のうち沖縄及び北方対策を担当する国務大臣が本部長を務めています。副本部長には、内閣府審議官（事務次官級）の中から大臣が指名する者が就任します。

現在の組織体制

現在の北方対策本部は、本部長を頂点とする組織構成となっています。本部長は内閣府設置法に基づき、内閣府特命担当大臣（沖縄及び北方対策）が務めます。その下に位置する副本部長は、内閣府本府組織令の定めにより、内閣府審議官が就任します。副本部長の事務を補佐するため、組織内には審議官や参事官が配置されています。

主な役割と活動内容

北方対策本部の主要な役割は、北方地域返還という国家目標の達成に向けた政府の取り組みを推進することにあります。具体的には、以下のような活動を行っています。

国民世論の啓発: 北方領土問題や北方地域に関する国民の関心と理解を深めるための広報活動や啓発イベントなどを実施しています。
関係機関との連携・調整: 国の行政機関、地方公共団体、内閣府所管の北方領土問題対策協会、都道府県民会議といった関連組織との間で、情報の共有や協力体制の構築を図っています。
元島民への援護措置: かつて北方地域に居住していた方々やその家族に対する援護措置を推進しています（外務省の所掌に属するものを除く）。
証明書作成: 本土と北方地域にまたがる身分関係その他の事実について、公的な証明が必要となる文書の作成に関する事務を行っています。
* 連絡・あっせん・処理: 本土と北方地域との間で発生する様々な事項のうち、解決を要するものについて、連絡やあっせん、処理といった実務的な対応を行っています。

これらの活動を通じて、北方対策本部は、政府の北方領土問題解決に向けた取り組みの中核を担い、重要な役割を果たしています。

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