北村初雄

北村初雄

北村初雄（きたむら はつお、1897年2月13日 - 1922年12月2日）は、大正時代に独自の詩世界を築き上げた詩人です。わずか25歳で夭折しましたが、その短い生涯において、清新な詩を数多く残しました。

生涯

1897年、東京市麹町区飯田町（現在の東京都千代田区飯田橋）に、北村七郎の長男として生を受けました。幼少期は横浜市南太田町（現在の南区内）で過ごし、1903年に横浜市老松小学校（現在の横浜市立本町小学校）に入学しました。

1912年には神奈川県立第一横浜中学校（現在の神奈川県立希望ケ丘高等学校）に進学。この頃から詩作を始め、三木露風に師事し、その才能を開花させていきました。

1917年に中学校を卒業後、東京高等商業学校（現在の一橋大学）予科に入学。学業の傍ら、詩作活動を精力的に行いました。1921年に同校本科を卒業し、三井物産に入社しますが、翌1922年に結核を発病。療養のため鵠沼の旅館東屋に転地しますが、同年12月2日に25歳という若さでこの世を去りました。

墓所は總持寺にあります。

人物

父の北村七郎は三井物産の監査役を務めた人物です。妹の壽は児玉桂三東京大学名誉教授の妻であり、同じく妹の榮は山下太郎元山下汽船社長の妻です。また、ビオフェルミン製薬創業者の百崎俊雄は伯父にあたります。

作品

北村初雄の詩は、若々しい感性と繊細な表現が特徴です。自然や感情を豊かに歌い上げ、読者の心に深く響く作品を数多く残しました。

詩集

『吾歳と春』未来社 1917年
『正午の果実 : 北村初雄詩集』稲門堂 1922年

北村初雄の詩は、大正期の青春文学を代表する作品として、今もなお多くの人々に愛されています。彼の短い生涯と情熱的な詩は、時代を超えて私たちの心に語りかけ、生きることの喜びや悲しみを教えてくれます。

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