北条有時

北条有時 - 鎌倉時代の武将

北条有時（ほうじょう ありとき）は、鎌倉時代前期から中期にかけて存在した武将であり、北条氏の一門に属しています。彼は鎌倉幕府の二代目執権、北条義時の息子であり、三代目執権、北条泰時の異母弟です。母方の血筋も伊佐朝政の娘であり、北条氏の重要な一族に位置づけられています。また、初代執権北条時政の孫でもあり、源頼朝の正室である北条政子は彼にとって伯母にあたります。

経歴

有時は義時の四男であり、通称は六郎です。彼の葬儀においては、正室から生まれた弟である政村や実泰よりも序列の下に位置づけられるなど、家系内での評価は一貫して高くなかったとされます。彼は1221年（承久3年）の承久の乱に参加し、異母兄の泰時と共に京都への軍勢として進撃しました。

有時はその後、将軍の近習や鶴岡八幡宮の奉幣使などを務め、その名を知られる存在となります。仁治2年（1241年）には42歳で評定衆に抜擢されますが、同年中に辞任を希望します。しかしその申し出は受理されず、さらに2年後の寛元元年（1243年）、病により引退を果たします。それ以降は、文永7年（1270年）までの71年間、出仕することはありませんでした。

また、『吾妻鏡』には有時に関する記録が散見されることから、彼の子孫に伝わる記録がこの編纂の資料の一部として用いられた可能性も考えられます。有時は讃岐国守護職を務め、これは宝治合戦で衰退した三浦氏の地位を譲り受けたとされています。

年譜

有時に関する記録は『吾妻鏡』に基づくもので、彼の人生やキャリアの一端を窺い知ることができます。以下に、彼の年譜を示します。

• - 1200年（正治2年）5月25日: 有時の誕生。
• - 1222年（貞応元年）12月21日: 大炊助に任命。
• - 1232年（貞永元年）6月29日: 従五位下、同日民部少輔に任命。
• - 1237年（嘉禎3年）7月13日: 従五位上に昇進し、民部少輔を辞任。同年11月29日、駿河守に任命。
• - 1241年（仁治2年）6月7日: 正五位下に昇進。同年中、評定衆に選ばれる。
• - 1243年（寛元元年）: 『吾妻鏡』にて活躍が確認される。
• - 1270年（文永7年）3月1日: 出家し、法名を蓮忍とする。同日、71歳で没。

彼の存在は北条氏の歴史の中でも特異なものであり、その足跡は今なお多くの人々によって研究されています。北条有時はただの武将に留まらず、鎌倉時代の政治や戦乱の構図を理解するための重要な鍵となる人物です。

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