北桜英敏

北桜 英敏: 軍を引き締める相撲界の熱き男

北桜 英敏（きたざくら ひでとし、1971年12月15日生まれ）は、広島県広島市安佐北区の出身で、かつて北の湖部屋に所属していた元大相撲力士です。本名は向 英俊（むこう ひでとし）で、身長189cm、体重177kgという恵まれた体格を持っていました。得意技は右四つと寄りであり、最高位は西前頭9枚目となったのは2001年7月場所です。彼の愛称は「熱い男北桜」と呼ばれ、現役時代はその闘志あふれる相撲と豪快な塩まき、そして心温まるファンサービスで多くのファンに支持されました。

来歴と成績

北桜は、引退後年寄・式守秀五郎（式秀）として後進の指導に当たっています。弟は陸奥部屋の元幕内力士である豊桜で、父親も元三段目力士という相撲一家に生まれ育ちました。彼の実家は広島市内でちゃんこ食堂「角力太郎」を経営しています。

1987年3月場所で初土俵を踏んだ北桜は、長身と強靭な体格のおかげで早くから注目を浴びました。1991年1月には幕下に昇進し、しかし力任せの相撲スタイルが影響し、しばらく低迷しました。1997年11月、彼は西幕下60枚目で見事7戦全勝を果たし、その結果十両に昇進します。初の十両戦は怪我により公傷休場となってしまいましたが、弟とともに初の兄弟同時関取という快挙を達成します。

その後、北桜は十両と幕下を往復しながらも、2001年に再十両を果たすと、力強い前に出るスタイルを確立しました。2004年には13場所ぶりに幕内に戻り、弟との同時幕内在位を実現しました。2006年には再度幕内に昇進し、一時は優勝争いにも絡む活躍を見せましたが、またしても十両に落ちてしまいました。

ファンサービスと相撲の魅力

北桜の魅力はその相撲だけでなく、ファンサービスにもありました。特に観客との交流を大切にし、勝ち名乗りの後には観客とのハイタッチや写真撮影に応じる姿勢が印象的でした。また、子供たちに向けては自らの携帯番号を教えるなど、相撲普及活動にも積極的に取り組みました。彼自身は「ディズニーのミッキー」や「相撲伝道師」として称されることもあり、幅広いファンから愛されていました。

現役引退後、北桜は師匠や年寄として若手力士の育成に努める一方、SNSを通じて部屋の活動を発信し、時代に合った指導スタイルを取り入れています。特に、「無理をしないで」と声を掛けることで弟子のやる気を引き出すことに重きを置いています。

趣味とエピソード

相撲界では有名な塩まきパフォーマンスを行っており、その始まりは勝利を目指す気迫からでした。また、趣味としてビーズ編みを楽しむ一面もあり、彼自身が特集されたテレビ番組では、ビーズ編みに込める思いを語りました。これは当初から奥様へのプレゼントとして始めたもので、集中力を鍛える手段ともなっているようです。

北桜の相撲人生は多くのエピソードに彩られ、他の力士とも交流を深めてきました。結果として彼は後輩たちへも受け継がれるべき価値のある経験を積んできたと言えるでしょう。相撲界の楽しさと熱さを後進に伝え続け、今後も多くのファンに愛される存在であり続けることが期待されています。

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