北楯大堰

北楯大堰（きただておおぜき）

北楯大堰は山形県庄内地方に位置する重要な農業用水路で、多くの新田開発を支援してきました。最上川の下流部に開削され、この地域の農業を支える命脈として機能しています。
この用水路は1612年に、最上義光の重臣である北楯利長によって建設が開始されました。利長は、約10年にわたる綿密な調査の結果、立谷沢川から水を引くことで地域の灌漑を推進することを決定しました。
当初、7400人もの作業員が動員され、驚異的な速さで約10キロメートルの水路が完成しました。その後の延長工事により、最終的に総延長は32キロメートルに達しました。これにより、約5000ヘクタールの新しい田んぼが開発され、88の村が新たに誕生しました。

この新田開発がもたらしたのは、庄内平野の豊かな米作りの基盤であり、現在もこの水路は地域の水田を潤す重要な役割を果たしています。また、北楯利長の功績は高く評価され、狩川駅から徒歩10分程度の場所にはその水神を祀る北舘神社があります。そしてこの水路は「北楯大堰」という名前が付けられています。

最近の注目として、2018年8月14日に農林水産省が北楯大堰を国際かんがい排水委員会により登録された「かんがい施設遺産」として認定したことがあります。これは、この施設が持つ歴史的価値を世界的に認識されたことを意味しており、山形県内で初の選出となりました。

所在地

北楯大堰は庄内町の肝煎地区を始点にしており、そこから清川、狩川を経て流れています。具体的な始点の座標は北緯38度46分44.0秒、東経140度01分11.5秒です。

アクセス

この地域へのアクセスは、東日本旅客鉄道（JR東日本）の陸羽西線の清川駅から徒歩約3分で可能です。

周辺情報

北楯大堰の近くには清河八郎記念館や清川歴史公園などの観光施設があります。これらのスポットは、訪れる人々に地域の歴史や文化を学ぶ機会を提供しています。

関連項目

北楯大堰は最上川さみだれ大堰とともに庄内地方の水利施設として注目されています。

最後に、北楯大堰の詳細情報は山形県や農林水産省のウェブサイトで確認することができます。歴史的な意義を持つこの施設を訪れることで、地域の農業の発展と環境を支えてきた役割を感じることができるでしょう。

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