北極村

北極村

概要

北極村は、中華人民共和国の北東部、黒竜江省大興安嶺地区漠河市北極鎮に位置しています。中国国内で最も北にある村として知られ、大興安嶺山脈の北麓、七星山のそばを流れるアムール川（中国名：黒竜江）沿いにあります。このアムール川は、中国とロシアの国境線となっています。村の名前「北極村」は、文字通り「中国の北極」であることを意味しています。

自然現象と特徴

この村の最大の特徴は、中国国内で唯一、オーロラを観測できる可能性がある点です。さらに、緯度が高いため、夏季には白夜が現れることもあります。太陽が完全に沈まず、夜中も薄明かりが続くこの現象から、北極村は「不夜城」という異名も持っています。これらの珍しい自然現象を目当てに、多くの人々が訪れます。

観光地としての発展

北極村一帯は、そのユニークな自然環境と最北端という立地から、観光地として開発が進められてきました。1997年には漠河市政府によって「北極村風景旅遊区」に指定され、観光インフラの整備が進みました。そして2015年には、中国国家観光局により、国内最高ランクである5A級観光地に認定されています。

毎年夏至の頃には、村で「漠河オーロラ祭り」が開催されます。特に2008年の第18回祭りでは、夏至に合わせて6月21日から23日にかけて行われ、香港やロシアなど国内外から2万人近い観光客が訪れました。訪れた人々は、夜通し明かりを灯したりかがり火を焚いたりしながら、貴重な白夜の体験を存分に楽しんだと伝えられています。

特筆すべき出来事

北極村は、極寒の地で行われたあるユニークなパフォーマンスの舞台ともなりました。2015年4月に北京で開催された世界ポールダンス選手権の中国開催を祝うため、その前年である2014年12月24日には、中国代表チームのメンバーが北極村を訪れました。彼らは、厳冬期に凍結したアムール川の川面上で、ポールダンスの演技を披露したのです。このパフォーマンスは、単なる祝賀イベントとしてだけでなく、チームの精神を鍛え、極限状態での集中力を養うための一環として行われたと言われています。チームは過去にも同様の目的で、北極村のような厳しい寒さの場所で練習を行っていたとのことです。

交通アクセス

北極村へのアクセスは、2008年6月18日に開港した漠河古蓮空港を利用するのが便利です。空港からは全長81.765kmのコンクリート舗装された漠北高速道路が村まで延びており、車での移動が可能となっています。

村の出身者

この村からは、著名な小説家である遅子建氏を輩出しています。

関連情報

黒竜江省
大興安嶺地区
漠河市
漠河古蓮空港

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