北海道ジェイ・アール・システム開発

株式会社北海道ジェイ・アール・システム開発

株式会社北海道ジェイ・アール・システム開発は、北海道札幌市に本社を構えるシステムインテグレーターです。略称としてHJSDが用いられています。親会社であるJR北海道をはじめとするJR北海道グループ各社向けに、情報システムの開発、保守、運用といった多岐にわたるサービスを提供しています。ユーザー系システムインテグレーターとして、グループ企業の事業運営をITの側面から強力にサポートしています。

概要

HJSDの本社は、札幌市東区北6条東4丁目1番地4にあるNE6・4ビル内に位置しており、7階と8階に入居しています。札幌本社のほか、東京にも事務所を設けており、全国的な事業展開も視野に入れています。

同社は、JR北海道の子会社として、その設立以来、北海道における鉄道事業および関連事業のIT基盤を支えてきました。グループ内の情報システム全般に関する専門知識と技術力を有し、経営管理、財務、人事、資材といった基幹業務システムから、旅客輸送、駅務、施設管理など、鉄道事業に不可欠なシステムの開発・運用・保守を一手に担っています。

また、JR東日本情報システム株式会社が株主として参加していることも特徴の一つです。この関係性を通じて、JR東日本グループ向けのシステム開発業務にも携わる機会があり、広範な鉄道システムに関する知見と技術を培っています。JRグループ各社との連携を通じて、鉄道ITシステム分野における専門性をさらに深めています。

事業内容

HJSDの事業の中心は、JR北海道グループ各社に向けた情報システムのライフサイクル全体にわたるサービス提供です。具体的には、

システム開発: 業務効率化やサービス向上に資する新たなシステムの企画、設計、構築。
システム保守: 既存システムの安定稼働を維持するためのメンテナンス、機能改修、障害対応。
システム運用: サーバーやネットワーク機器の監視、データバックアップ、セキュリティ管理など、システムが常に利用可能な状態を保つための日常的な運用業務。

といった業務を行っています。これにより、JR北海道グループの事業活動がITによって円滑かつ効率的に行われることを保証しています。

さらに、独自のサービスとして、NSP（JSDネットワークサービス）を提供しており、これはネットワークインフラストラクチャに関するサービスと考えられます。また、ERP（統合基幹業務システム）のシェアリングサービスも手掛けており、複数のグループ会社が共通の基盤を利用することで、コスト削減や標準化に貢献しています。

北海道新幹線のシステム運用にも携わっており、これは同社が鉄道運行における安全性と定時性を支える重要なシステムに深く関与していることを示しています。その他、交通系ICカードである「Kitaca」や、JRの旅客販売を支える「総販」システムといった、一般利用者にも身近な主要システムにも関わっています。

沿革

HJSDの歴史は以下のように主要な出来事を経てきました。

1988年（昭和63年）8月：会社設立。JR北海道グループの情報システムを担う企業としての第一歩を踏み出しました。
1994年（平成6年）4月：本社を札幌市中央区から現在の所在地である東区に移転しました。これは、事業規模の拡大や業務効率化に対応するための重要なステップでした。
2002年（平成14年）6月：NSP（JSDネットワークサービス）事業を開始しました。これにより、提供するITサービスの範囲をネットワーク分野に広げました。
2004年（平成16年）3月：ERPシェアリングサービスを開始しました。グループ会社間での基幹システム共通化を推進するサービス提供を開始しました。
2016年（平成28年）3月：北海道新幹線のシステム運用を開始しました。大規模かつ重要な鉄道システムへの参画を果たしました。

これらの沿革は、同社が設立から現在に至るまで、事業内容を拡大し、北海道における鉄道ITインフラの発展に貢献してきた軌跡を示しています。

関連情報

HJSDが関わる主要なシステムとしては、旅客販売システムの「総販」、交通系ICカード「Kitaca」、そして北海道新幹線の運行を支えるシステムなどが挙げられます。

また、JRグループには各旅客鉄道会社や関連組織にそれぞれシステム会社が存在しており、HJSDはJR北海道のシステム会社として、他のJRグループのシステム会社（JR東日本情報システム、JR東海情報システム、JR西日本ITソリューションズ、JR九州システムソリューションズ、JR四国情報システム、ジェイアール総研情報システムなど）とも連携を取りながら、鉄道情報システムの発展に貢献しています。ユーザー系システムインテグレーターとしての立ち位置は、親会社やグループ企業のニーズに深く寄り添ったITソリューションを提供できる強みとなっています。

もう一度検索