北海道大学植物園

北海道大学植物園

北海道大学植物園は、札幌に位置し、北海道大学が運営する重要な植物園です。1886年に開園されて以来、植物学の教育や研究の場としての役割を果たしてきました。この植物園は、さまざまな絶滅危惧植物の保全活動も行っており、大学だけでなく一般の人々にも開放されています。

概要

• - 総面積: 133,000平方メートル
• - 園長: 藤野介延
• - アクセス: 札幌駅から徒歩約10分、大通駅や西11丁目駅からも徒歩圏内
• - 入園料: 夏期は高校生以上420円、中学生・小学生300円。冬期は小学生以上120円。
• - 休園日: 月曜日（祝日は翌日）、冬期の日曜日・祝日、年末年始
• - 学生および教職員: 無料入園（時期によらず）

この植物園は、もともと北海道大学農学部の附属施設でありましたが、2001年に北方生物圏フィールド科学センターが設立されたことをきっかけに、新たな位置付けがなされました。現在は施設が「植物園部門」と「博物館部門」に区分され、教育と社会貢献の両方に貢献しています。

植物園部門の歴史

植物園の歴史は、札幌農学校の初代教頭であるW.S.クラークの提案から始まります。彼は植物学と園芸学の教育の重要性を認識し、植物園の設立を進めました。宮部金吾はこの計画を具体化させ、1886年に園が開かれました。彼はその後初代園長としても活躍し、現在でも日本で最も古い植物園の一つとして評価されています。

植物園内には、北海道特有のハルニレやエゾヤマザクラが多く植えられており、地域の原生林を再現したエリアも設けられています。さらに、北方の先住民族が使用した植物を栽培する「北方民族植物標本園」や、実験に利用されるエンレイソウの分野もあります。そして、カナディアン・ロック・ガーデンやバラ園など多様な植物が集められています。

博物館部門の概要

博物館部門は、1877年に設立された札幌仮博物場から始まりました。1882年には現在地に移転し、札幌農学校に移管されるなどの歴史を持っています。この博物館は、地域の生物やアートの記録を保存する役割を果たし、社会教育の一環としても機能しています。

現在、植物園にはジョン・バチェラー博士を記念した博物館や、アイヌ民族文化に関する展示を行う「北方民族資料館」、植物学者の宮部金吾にちなんだ「宮部金吾記念館」などが併設されています。これらの展示には、北海道の生物の剥製や、歴史的な土器、さらには南極の樺太犬タロの剥製も含まれています。

重要文化財

特に博物館本館は1882年に開拓使によって建設され、現在も機能を維持したまま利用されています。この建物は、形式的に特徴を持ち、開拓使の「五稜星マーク」を施したデザインでありながら、博物館の歴史的な背景と文化的価値を象徴する重要な資産です。

アクセスと立地

植物園は、公共交通機関からアクセスしやすい位置にあり、緑豊かな環境の中で、市民や観光客が訪れる場所として親しまれています。近隣にはさまざまな施設があり、訪問しやすい立地となっています。

このように、北海道大学植物園は教育、研究、保全活動の拠点としてだけでなく、訪れる人々に自然の魅力を伝える場所としても重要な役割を果たしています。

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