北海道網走南ヶ丘高等学校

北海道網走南ケ丘高等学校

北海道網走南ケ丘高等学校は、北海道網走市台町二丁目に所在する道立の高等学校です。地域の教育拠点として、100年を超える歴史を刻んでいます。

沿革

本校の起源は、地域の人々からの「網走にも男子中学校を」という熱意に応える形で、1922年（大正11年）に設立が認可された北海道庁立網走中学校に遡ります。戦後の学制改革に伴い、1948年には北海道立網走高等学校と改称され、この時期には定時制の常呂分校および斜里分校が設置されました。さらに1950年には、現在の校名である北海道網走南ヶ丘高等学校となり、男女共学が開始されました。同年には定時制小清水分校も設けられましたが、その後、斜里分校（1950年）と常呂分校（1953年）は独立校となり、小清水分校も1952年に北海道網走向陽高等学校の所管となるなど、周辺地域の教育展開にも関与しました。創立50周年（1972年）以降、10年ごとの節目には記念式典を挙行し、歴史を振り返るとともに未来への歩みを進めています。教育内容においても、2008年には全日制課程普通科で単位制が導入され、生徒一人ひとりの多様な学習ニーズに対応できる体制が整備されました。また、近年では文部科学省や北海道教育委員会から研究指定を受け、英語によるコミュニケーション能力強化や学力向上、化学研究実践など、様々な分野での教育改善・推進に取り組んでいます。2022年には、卒業生である山口昌男氏の功績を記念し、札幌大学山口文庫の分室が本校内に開設されるなど、卒業生との連携も深めています。

教育課程・特色

本校には、全日制課程と定時制課程が設置されており、いずれも普通科が設けられています。全日制課程では単位制が導入されており、生徒が自身の興味や進路希望に応じて柔軟に科目を履修できる特色があります。

教育活動の柱の一つとして「文武両道」を校是に掲げており、学業と部活動の両立を奨励しています。生徒の90％以上が部活動に参加しており、活発な活動が行われています。また、卒業生の90％以上が進学を果たしており、そのうち国公立大学へも学年の約20％に相当する40名以上の生徒が進んでいます。これは、生徒たちの努力と教職員によるきめ細やかな指導の成果と言えるでしょう。

本校独自の伝統行事として、網走湖一周マラソン（強歩遠足）が毎年実施されています。男子は約38.9km、女子は約29.9kmの道のりを歩き、心身を鍛えるとともにクラスや友人との絆を深める貴重な機会となっています。

全日制・定時制を合わせた卒業生は20,000名を超えており、地域社会をはじめ、国内外の様々な分野で活躍しています。また、生徒の約35％弱が網走市外からの通学生や下宿生であり、広範囲から生徒が集まる学校としても知られています。

部活動

本校では、校是である文武両道の精神のもと、多種多様な部活動が盛んに行われています。運動部では、全国大会での優勝経験を持つボート部や、夏の甲子園出場（1967年）と春のセンバツ出場（1970年）を果たした野球部（夏の甲子園出場校としては日本最北端）が特に知られています。その他にも、サッカー部、男子ソフトテニス部、女子ソフトテニス部、バスケットボール部、男子バレーボール部、女子バレーボール部、卓球部、剣道部、柔道部、空手道部、弓道部、バドミントン部といった活発な運動部があります。

文化系クラブも充実しており、全国大会出場経験のある演劇部（2004年度、2023年度）をはじめ、美術部、写真部、将棋部、茶道部、ESS、生物科学研究会などが活動しています。また、外局として、東日本学校吹奏楽大会で金賞受賞経験（2014年度）を含む2度の出場を果たした吹奏楽局、アナウンス部門で全国大会出場経験を持つ放送局、そして新聞局があり、学校生活に彩りを添えています。

著名な出身者

本校は、幅広い分野で活躍する多くの人材を社会に送り出しています。著名な出身者には、講談師の3代目神田山陽氏、文化人類学者で元札幌大学学長の山口昌男氏、英文学者で東京大学名誉教授の高松雄一氏、倫理学者で元山梨医科大学教授の川田殖氏といった学術・文化分野のほか、元プロ野球選手の横山忠夫氏、作家で元海上保安官の西村淳氏、バンクーバーパラリンピックアルペンスキー代表の狩野亮氏、そして冬季オリンピックでも活躍するカーリング選手の近江谷杏菜氏、吉田知那美氏などがいます。また、網走市長を務める水谷洋一氏や、医学者で元札幌医科大学学長の谷内昭氏、酪農学園大学理事長で元北海道副知事の麻田信二氏など、地域社会や行政の分野でも多くの卒業生が活躍しています。

これらの卒業生の活躍は、本校の教育の質の高さを物語るとともに、後輩たちの大きな目標となっています。本校はこれからも、地域に根ざしながら、多様な才能を育む学び舎として歩み続けます。

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