北海道道688号名寄遠別線

北海道道688号名寄遠別線

北海道道688号名寄遠別線は、北海道名寄市と天塩郡遠別町を結ぶ一般道道です。しかし、一部区間は未供用となっており、冬期には通行止めとなる区間も存在します。

概要

この路線の建設は、戦後の1948年に幌加内村（現・幌加内町）からの陳情がきっかけでした。母子里と名寄町初茶志内（現・名寄市弥生）を結ぶ道路建設が要望されましたが、当時は他にも優先すべき道路整備が多く、なかなか実現には至りませんでした。

その後、交通網整備への機運が高まり、1965年には「開発道路名寄遠別線建設促進期成会」が結成されました。国の道路開発予算で調査が行われ、1966年から1968年にかけて計画概要書作成や経済調査などが実施されました。1969年には母子里地区で測量に着手しました。

1970年8月22日、当路線は一般道道として路線認定を受けました。同年10月1日には北海道開発局による開発道路として指定され、工事が進められました。1991年には名母トンネルが完成しましたが、2010年には開発道路指定が廃止され、北海道へ事業が移管されました。

現在、幌加内町字蕗の台から遠別町字正修の間は未開通区間となっています。この区間は天塩山地を越える険しい地形であり、難工事が予想されます。2020年には正修トンネルが完成しましたが、2024年時点では一部工事の遅れが見込まれており、全線開通時期がずれ込む可能性が出てきています。2024年10月には、全線開通が2029年度に延期されることが発表されました。

未開通区間は7.8kmあり、そのうち4.9kmの整備が完了していますが、残り2.9kmは路盤などが未完成です。宇遠別トンネルは2021年に着工し、2022年11月1日に貫通式が行われました。

事業費の増大

総事業費は当初47億1千万円でしたが、地滑り対策や資材価格の高騰などにより、2024年度には170億円にまで膨らんでいます。工期の延長も繰り返されており、全線開通予定時期は当初の計画から大幅に遅れています。

路線データ

起点：北海道名寄市砺波（国道40号交点）
終点：北海道天塩郡遠別町字本町6丁目（国道232号交点）
総延長：77.888 km
実延長：73.966 km
重用延長：3.922 km

歴史

1970年8月22日：路線認定
1970年10月1日：北海道開発局による開発道路として指定
1991年10月1日：名母トンネル供用開始
2010年4月1日：開発道路指定が廃止され、北海道に事業を移管

路線状況

重複区間：北海道道256号豊富遠別線（遠別町字久光 - 遠別町字本町6丁目）
未供用区間：幌加内町字蕗の台 - 遠別町字正修
冬期交通規制区間：幌加内町字母子里8384 - 幌加内町字蕗の台

道路施設

主なトンネル：名母トンネル
主な橋梁：精英樹橋、凌雲橋、新栄橋、奥島橋、第二共栄橋、第一共栄橋、中央橋

地理

通過する自治体

上川総合振興局
名寄市
雨竜郡幌加内町
留萌振興局
天塩郡遠別町

交差する道路

名寄市
国道40号
幌加内町
国道275号
遠別町
国道232号

主な峠

名寄峠

今後の展望

北海道道688号名寄遠別線の全線開通は、地域住民の長年の願いです。2029年度の開通に向けて、工事の安全と早期完成が期待されます。

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