北灘村 (愛媛県)

北灘村（きたなだむら）

北灘村は、1955年（昭和30年）まで愛媛県北宇和郡に存在した村です。1955年の昭和の大合併により、周辺の1町5村と合併して津島町となり、自治体としての歴史を閉じました。その後、2005年の平成の大合併で宇和島市に編入され、現在は宇和島市の一部となっています。

地理

現在の宇和島市南部に位置し、宇和海に面した海岸部です。北灘湾を挟んで南北に分かれており、各入り江に沿って集落が形成されています。古くから鰯漁が盛んでした。

村の北側は権現山と連なる山々によって下波村や三浦村と、東側は岩松川河口付近で岩松町と、南側は雨森山によって下灘村と接していました。

地名の由来

江戸時代から「北灘浦」と呼ばれていたことが地名の由来です。

社会

地域・集落

明治時代の合併前の北灘浦1浦がそのまま大字となりました。中心集落は国永で、役場や公民館などが集まっていました。

集落は以下の通りです。

北灘湾北側

鵜之浜（うのはま）
宗清（むねきよ）
国延（くにのぶ）
面浦（おもうら）
網代（あじろ）
家次（いえつぐ）
木浦松（きうらまつ）
牛之浦（うしのうら）
尻貝（しりがい）
掛網代（かかりあじろ）
福浦（ふくうら）

北灘湾南側

小日提谷（こひさげたに）
小日提浜（こひさげはま）
大日提（おおひさげ）

行政

役場は国永に置かれていました。

歴史

藩政期

当初は宇和島藩領でしたが、寛文2年の領地替えで吉田藩領となりました。この頃には、卯之浜（後の鵜の浜）、能登懸綱代、馬浦、家次、宗清、大堤浦、小堤浦などの小浦が存在しました。

元禄時代には、槙川村の庄屋の子である彦左衛門によって大浜の新田開発が行われました。

北灘村成立後

1889年（明治22年）12月15日：町村制施行に伴い、北宇和郡北灘村が成立しました。
1951年（昭和26年）：東部の字玉ケ月が境界変更により岩松町に編入されました。
1955年（昭和30年）：三重の資本による伊予真珠が進出し、真珠養殖が始まりました。
1955年（昭和30年）2月11日：岩松町、清満村、御槙村、畑地村、下灘村との新設合併により津島町が発足し、北灘村は自治体としての歴史を終えました。

北灘村の系譜

以下に北灘村の系譜を示します。


（町村制実施以前の村）　（明治期）　　　　（昭和の合併）　（平成の合併）
　　　　　　　　　　　　町村制施行時
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　昭和30年2月11日
　　　　　　　　　　　　　　岩松町　━┳━━┓新設合併
　　　　　　　　　　　　　　　　　　あ┃　　┣津島町━━━━━┓
北灘浦━━━━━━━━━━━北灘村━━┻━━┫　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　清満村━━━━━┫　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　御槙村━━━━━┫　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　　　　　畑地村━━━━━┫　　　　　　　　┃新設合併
　　　　　　　　　　　　　　下灘村━━━━━┛　　　　　　　　┃平成17年8月1日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┣宇和島市（新）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　宇和島市━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　吉田町━━━━━┫
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三間町━━━━━┛



あ - 昭和26年4月1日、北灘村の一部（字玉ケ月）が境界変更により岩松町に編入。
（注記）岩松町その他の合併以前の系譜は、それぞれの市町村の記事を参照してください。

産業

農業

わずかな平地で田畑が営まれていたほか、かつては集落背後の丘陵や山を段々畑として利用し、芋や麦などが栽培されていました。しかし、養殖業が盛んになると、農地は自給用が中心となり、後背地の利用は減少しました。

水産業

藩政期から鰯漁が盛んな漁村であり、昭和30年代前半までは栄えていました。鰯漁の不漁により困窮した時期もありましたが、養殖業が導入され、その後は養殖業が主要な産業となりました。真珠養殖は1955年に三重の資本によって開始され、その後、地元資本による真珠母貝養殖（1957年）、真珠貝養殖（1962年）、はまち養殖（1963年）、鯛養殖（1964年）が始まりました。

交通

現在に至るまで、この地域には鉄道が通っていません。最寄りの駅は予讃線の宇和島駅です。山が海に迫る地形のため、海岸沿いの道路は整備が遅れていました。

脚注

角川書店『角川日本地名大辞典38愛媛県』1981年

関連項目

愛媛県の廃止市町村一覧

外部リンク

* 愛媛県北宇和郡北灘村 (38B0130030) | 歴史的行政区域データセットβ版 - Geoshapeリポジトリ

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