北牧野古墳群

北牧野古墳群について

北牧野古墳群（きたまきのこふんぐん）は、滋賀県高島市マキノ町牧野に存在する古墳群で、古墳時代後期の貴重な遺跡です。この古墳群は、斧研川の右岸に広がっており、1968年の調査では96基の古墳が確認されました。これにより、古墳群の重要性が再認識されています。

調査の経緯

2000年には、北牧野2号墳と3号墳の発掘調査が実施され、その結果、周囲の古墳12基の分布状況も明らかになりました。調査によると、これらの古墳はすべて横穴式石室を持つ円墳であると考えられています。これは、当時の埋葬方法や文化を探る手がかりとなっています。

出土品の詳細

2号墳の特徴

北牧野2号墳は直径約15メートルの円墳であり、北側に周溝跡が残り、南に向かって開口部のある右片袖の横穴式石室が備わっています。この古墳は6世紀後半に築造されたと推定されています。発掘調査においては、須恵器の坏や、高坏、鉄器類、装飾品である銀製の耳環、およびガラス小玉など、多様な遺物が発見されました。特に、滋賀県での出土例が少ない金銅製の単龍環頭大刀が見つかっており、これは畿内の政権と関連していると考えられています。

3号墳について

3号墳は直径約17メートルで、周囲の約2分の1には周溝跡が残っています。こちらも6世紀後半の右片袖の横穴式石室を持ち、出土品には土師器や須恵器、鉄器、さらにガラス小玉、耳環、石製の三輪玉が含まれています。この三輪玉は古墳時代の大刀の装飾に用いられることから、3号墳にも装飾付大刀が存在した可能性が示唆されています。

古墳群との関連性

古墳群の北側、現在のマキノ高原エリアには、古代の製鉄所跡とされる北牧野製鉄遺跡群が存在しています。これにより、北牧野古墳群一帯が古代の製鉄業で繁栄した地域であった可能性が考えられています。また、炭窯跡も発見されており、このことが当時の経済活動と人々の生活にどのように関与していたのかを考察する上でも重要な情報となっています。

まとめ

北牧野古墳群は、古墳時代の文化や技術の進展を示す貴重な遺産であり、出土品からは当時の人々の生活や社会構造にもアクセスすることが可能です。このエリアでの調査と研究が進むことで、さらに多くの歴史的な事実が明らかになることが期待されています。

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