北白川宮

北白川宮とその歴史

北白川宮（きたしらかわのみや）は、日本の皇室に属する宮家の一つであり、その前身である聖護院宮（しょうごいんのみや）からの流れを汲んでいます。この宮家は明治時代を通じて、またその後の日本の歴史において重要な一角を成してきました。

聖護院宮の設立

聖護院宮は1868年、明治元年に創設されました。この年、伏見宮邦家親王の第二王子である嘉言親王が還俗し、聖護院という名を冠しました。この聖護院は、親王がかつて出家していた場所に由来しています。嘉言親王が薨去した後、その弟である智成親王が宮号を引き継ぎましたが、その後北白川宮に改称される運命を辿ります。最終的には、薨去した智成親王の兄、能久親王の直系がこの宮家を受け継ぐ形となりました。

1947年10月14日、北白川宮は5代目道久王の代に皇籍を離脱しました。道久王には男子がいなかったため、2018年10月20日、その逝去をもってこの宮家は断絶することになります。

宮家の邸宅

北白川宮の邸宅に関しては、1884年に紀尾井町に洋館が建てられました。この洋館は、著名な建築家ジョサイア・コンドルの設計によるもので、287坪の広さを持つフレンチゴシック様式のレンガ造りの2階建てでした。和館に関する記録は残っていませんが、この邸宅跡地は1924年に朝鮮王朝の李王家に与えられ、1930年には宮内省の内匠寮による設計で新たにイギリス16世紀のチューダーゴシック様式の邸宅が建てられました。

戦後には、この邸宅は西武グループの創始者である堤康次郎に購入され、赤坂プリンスホテル（現在のザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町）として利用されるようになりました。赤坂プリンスホテルが営業を終了した後には、旧李王家の邸宅は南東側に44メートル移動され、結婚式場「赤坂プリンス クラシックハウス」として新たな役割を果たしています。

また、1912年には北白川宮成久王の成婚祝いとして、港区高輪において新しい邸宅が建設されました。こちらは、宮内省内匠寮の木子幸三郎による設計で、700坪の和館と200坪の洋館から構成されたものでした。この邸宅は、戦前までの皇族の和風邸宅としては最大規模であり、質の面でも優れたものでした。しかし、戦後には堤康次郎が購入し、高輪ゴルフセンターとなった後、1982年には新高輪プリンスホテル（現在のグランドプリンスホテル新高輪）が新たに建設されました。洋館は新高輪プリンスホテルが開業した後も高輪プリンス会館として名残を残していましたが、国際館パミールの建設に伴い取り壊されてしまいました。

北白川宮及びその邸宅は、歴史的な価値や文化的な意義を持っており、日本の皇室の一端を形成してきた証しとして、多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索